☆ お姫井戸・亀石 (「長良川」内、美濃市保木脇)



美濃国牟義郡
岐阜県美濃市保木脇
(2箇所とも少し道を広げて駐車できるようになっています、ただし交通の邪魔にはなるので短時間に留めるべきかと)



「長良川」上流、美濃市「保木脇(ほきわき)」の川中に浮かぶ露出岩石。

深い山中の谷地を緩やかに流れる「長良川」。当地は白山へ通じる「郡上(ぐじょう)街道」の途次。登拝への玄関口として機能していたと思われる立花神社が鎮座しています。

現在は緩やかな流れもかつては激流であったとか。「大巻の淵」と称され、360度近く大きく湾曲しており激流が川中の岩に当たり、大渦巻きを作っていたとのこと。

「お姫井戸」の窪みには注連縄が張られているようです(毎年8月1日に張られるようですが、拝したのは7月であったため無かった)。

以下の民話が伝わります。
━━むかし大巻には龍神が住み、井戸にはその姫が住むと言われ、いつもきれいな水がたたえられていました。そして井戸をよごすと龍神の怒りに触れ大洪水になると言い伝えられていました。ある時、この地方は大干ばつにみまわれ、村を挙げての雨乞いも効果が無く、田畑の作物はほとんど枯れてしまいました。思案に暮れる村の庄屋五兵衛の頭に、お姫の井戸のことが浮かびました。「井戸を汚せば雨が降る!」思い詰めた五兵衛は、井戸で不浄な板きれやごみを燃やしたのです。翌朝、黒雲を引き裂くような雷鳴がとどろくと、激しい雨が降り、3日3晩降り続きました。長良川は大洪水となり、各所で堤防が切れ、家や田畑が濁流に沈みました。龍神の怒りをおさめるため、五兵衛は濁流に身を投げたらしくその後姿が見えなくなり、雨はようやくやみました。それ以来、村人たちはお姫の井戸にしめ縄を張って清浄を誓い、毎年8月1日には、龍神と五兵衛をまつる川祭りを上有知湊(こうづちみなと)の舟すべてに献灯をかかげ、盛大に行いました。地元では今でも毎年8月1日にはしめ縄を新しく張り替え、川祭りとして…(以下略)━━


この「お姫井戸」は竜宮まで続いているとされ、「亀石」はその乗り物のとして捉えられていたのかもしれません。


*すぐ近くに「ひょうたん池」があるようですが、見付けられませんでした。







他にもいくつか岩石が見られます。