一宮神社 (名張市夏見)
(いっきゅうじんじゃ)


伊賀国名張郡
三重県名張市夏見字坊垣3375-1
(P有)

■祭神
菅原道眞


「名張川」北岸、「平尾山」の南中腹に鎮座する社。名張市街地内の一角、周りには古い民家が密集しています。山はゴルフ場開発され、往古の様子は探られません。
◎「神社明細帳」には、━━金山比賣神は、寛文年中一ノ宮村敢國神社分霊を奉祀せるものにして延實六年一社を設け一宮と称し当地において崇敬す━━とあるとのこと。寛文年中は1661~1673年、延實六年は1679年。
これによると伊賀国阿拜郡に鎮座する敢國神社(伊賀国一宮)より江戸時代初めに分霊されてきたとのこと。社名は伊賀国一宮から勧請されたことによるものかと。創建の由緒等に関しては触れられていません。
◎一方で「坊垣」地区に伝わる古文書によると、━━去る壱千有余年前に阿拝郡府中村大字一ノ宮に御鎮座國幣中社敢國神社を分霊なり而して御祭禮致す 天正八年の伊賀乱の異変に遭遇し当時を偲ぶもの悉く無くすも、明治二二年十月当地に、崇敬者一同の篤志により再建する━━とあると三重県神社庁は伝えています。
「壱千有余年前」というのが当社に分霊された年代をいうものか、敢國神社創建の年代をいうものかは読み解けません。天正八年(1580年)に社殿消失とあり、「神社明細帳」の創建年代とは異なります。
金山比賣神を勧請したということは、この地で鍛治が行われていたのかもしれませんが、現在それらしき痕跡は見当たりません。
なお菅公は190余年前に北野天満宮(記事未作成)より勧請されたとのこと。