跡部神社
河内国渋川郡
大阪府八尾市亀井町2-4-5
(鳥居から進入し境内に駐車可)
■延喜式神名帳
跡部神社の比定社
■旧社格
村社
■祭神
天照皇大神
阿刀連大神
住居商店工場等が密集する八尾市「亀井町」内に鎮座する社。かつての「跡部郷亀井村」と考えられています。
◎創建年代は不明。神名帳に記載される式内比定社であることから10世紀初頭には既に鎮座していたと思われます。
◎当社は物部氏系の阿刀連が奉斎していた社とされます。本貫地が当地とされ、当社は氏神であったと思われます。ところが「新撰姓氏録」には左京・山城国・摂津国・和泉国に「阿刀宿禰」「阿刀連」で記載があるものの、河内国には記載無し。編纂は弘仁六年(815年)のこと。天武天皇十三年(684年)には八色の姓で宿禰姓を賜っています。この時には既に当地に居住していたと思われるのですが。
◎紀の用明天皇即位二年の条には、任那復興のため百済から呼び戻したという日羅という人物を「阿斗の館」に住まわせたとあります。当社より南東1kmほどに鎮座する樟本神社(南木の本)の社伝では、その者が僧侶であり物部守屋が保護していたと。そしてその日羅が創建し住んでいたのが、その樟本神社の境内に鎮座する日羅禅寺であるとのこと。その時既に「阿斗(阿刀)」という地名が存在しています。
◎阿刀連は饒速日命の孫、味饒田命(ウマシニギタノミコト)を祖とする氏族。ご祭神に見える阿刀連大神とは饒速日命または味饒田命のどちらかであろうと思われます。
◎明治五年に太政官公附で天照皇大神と伊弉册大神を合祀したもよう。この理由は不明。また現在のご祭神に伊弉册大神は見えません。八王子大神は昭和初期に合祀したとのこと。