苦無神社 (与謝野町上山田)


丹後国與謝郡
京都府与謝郡与謝野町字上山田960
(P有、境内西方より)

■祭神
少名彦命


丹後の始まりの地「加悦谷(かやだに)」から、「出石(いずし)」地方へ抜ける「出石街道」沿いに鎮座する社。街道北側には東西に標高200~300m程度の山が連なり、麓に神社が点在します。
◎創建年代は伝わっていないようです。往古は「天神山」に鎮座していたのを寛政八年(1796年)に遷座させたと伝わります。遷座理由は不明。
◎西方200m余りに鎮座する穴石神社(あなしじんじゃ)の社頭案内には、当社をも含む伝承が記されています。

━━往古上山田尾崎の辺りに古沼があり、大蛇が棲み里人を困らせていた。そこで少名彦命が大蛇を退治したところ、その尾尻から刀剣が出、その刀剣を祀ったのが彌刀神社であり、少名彦命は苦無神社に、蛇体は穴石神社に祀ったという━━
産鉄地帯に多く見られる大蛇伝承であり、最たるものがスサノオ神の八俣大蛇神話。彌刀神社は既参拝であるものの写真消失で記事未作成。
◎「穴石」は産鉄氏族である「穴師」のこととみて良いかと思います。また当社「苦無(くなし)」も「穴師」に関わるものと考えられます。
一般に穴師系はアメノヒボコ神を奉戴する氏族。ご祭神の少名彦命を出雲系とするなら鉄を巡り敵対関係にあったと思われる氏族(播磨国 御形神社の記事参照)。


駐車場は黄金色の絨毯で覆われていました。日没寸前の暗い中で写真を撮ったのでかなり補正を施しています。

峰続きの穴石神社では熊が出没したようです。