子安神社 (東大寺境内)


大和国添上郡
奈良市雑司町406-1
(近隣コインP等利用)

■祭神
(不明)


東大寺大仏殿の西側すぐの所に鎮座する社。大仏殿へ登るための緩やかな石段途中。
◎創建由緒等は不明ながら、享保年間(1716~1735年)の「東大寺諸伽藍略録」という書には、東大寺創建に関わった良弁という僧侶の母を祭祀したといい、「孝養社」と称したと社頭案内にはあります。
◎寛文二年(1671年)と文久二年(1862年)の遷宮の棟札が発見されているとのこと。その寛文の頃というのは、二月堂の焼失と再建が行われ、良弁・実忠二人の祖徳が顕揚された時期であると社頭案内は記しています。
◎東大寺古図にはこの場所に「富貴社(ふきのやしろ)」と描かれているようです。また「二月堂神名帳」という書には、「子安大明神・穴師大明神」とあるとのこと。
この二つから類推されるのは、本来のご祭神は天富貴命(アメノフキノミコト)ではなかったかということ。「新撰姓氏録」には「穴師神主 天富貴命五世孫 古佐麻豆智命之後也」とあります。天富貴命は天太玉命の孫神。これが真相ではないでしょうか。このように推理しているものはまったく見られませんが。
「穴師神主」という氏族が祖神を祀ったと思われる和泉国の和泉穴師神社。境内社の春日社が天富貴命五世孫の古佐麻豆智命を祀っています。