敢國神社 境内社 (大石社を除く)


伊賀国阿拝郡
三重県伊賀市一之宮877
(P有)


本社の記事はこちら → 敢國神社
ご本殿瑞垣内に九所神社と六所神社の二社、一の鳥居横の樹叢内に市杵島姫社、拝殿ご本殿から西方向への裏参道沿いに六社が鎮座しています(大石社を含む)。
以下、境内社の紹介を写真とともに行っていきます。



【九所神社】
■祭神
(不明)

ご本殿の右脇(向かって左脇)に鎮座。写真では奥に写る社。創建由緒からご祭神に至るまですべて不明。


【六所神社】
■祭神
伊弉諾尊・伊弉冉尊・日神・月神・蛭子命・素盞鳴尊

ご本殿の左脇(向かって右脇)に鎮座。写真では手前に屋根だけ微かに写る社。創建由緒等は不詳。「伊水温故」という書に「甲賀三郎兼家の尊霊を敢國に相殿す」とあるようです。
甲賀三郎は伝説化された主人公(詳細は → Wiki 「甲賀三郎伝説」)。諏訪地方を舞台としているものの、その変形か近江国甲賀郡を徘徊した後に甲賀近江守となり、さらに伊賀国守となったというものも。
ところが祭神として列する六座のうちには見えず、また社名も「六所」としているため、この六座とは別に祀られているのかもしれません。



【市杵島姫社】
■祭神
(不明)

敢國神社一の鳥居の西側、樹叢の中に一際鮮やかな朱の鳥居と社殿を有する社。「伊賀国誌」においては「弁財天の宮」と称しており、市杵島姫を弁財天として祀ったものと思われます。



【若宮八幡宮】
■祭神
仁徳天皇

裏参道沿いの最も手前側、十数段の石段の先に鎮座。創建由緒等は不詳。



【小観社(こさずけのやしろ)】
■祭神
子さずけの神

裏参道沿いの若宮八幡宮の西隣に鎮座。創建由緒等は不詳。



【楠社】
■祭神
楠木正成
藤堂元甫

裏参道沿いの小観社の西隣、「むすび社」の幟とともに建つ鳥居を潜り、石段を登った先に鎮座。石製の小祠。当社では最も高い場所、産霊社とともに並んでいます。この場所から「南宮山」を遥拝できます。
宝暦年間(1751~1764年)に、藤堂元甫が河内国の水分神社から楠公の御霊を勧請。その功績から社人と藤堂元甫の子の元福らが議り、元甫も祀ったとされています。藤堂氏はかつて楠公と関わりがあったのでしょうか。
藤堂元甫は「三国地誌」の編纂に取りかかるも未完のまま死去、子の元福が継ぎ完成。河内国の水分神社とは、建水分神社の境内社 南木神社からと思われます。

【産霊社(むすびのやしろ)】
■祭神
高皇産霊尊・手間天神

楠社と並び鎮座。創建由緒等は不詳。藤堂元甫による再興と伝わっています。手間天神とは少彦名命のことと思われます。




【神明社】
■祭神
天照大御神

裏参道沿い、産霊社と楠社への鳥居の西隣に鎮座。創建由緒等は不詳。