いちべ神社


志摩国答志郡
三重県鳥羽市安楽島町1075-113
(ホテル「マリテーム海幸園」の敷地内)
(駐車は下部写真参照)
※ホテルを利用せずとも参拝はできそうな様子ですが、確認はできていません

■祭神
(不明)


鳥羽市「安楽島町(あらしまちょう)」の大きく突き出た半島の北部、リゾート地として宿泊施設が建ち並ぶ中に鎮座。「マリテーム海幸園」というホテルの敷地内の一角。どうやら神社の上にホテルを建ててしまったようです。
◎一帯が開発されてしまい原初の様子が分かりづらくなっているものの、かなりの丘陵であり、海際の断崖絶壁だったように思います。
数体の巨岩が座し、その前に小祠と二基の鳥居がある簡素なもの。巨岩は目を見張るものであり、これは組み上げたもの、つまり磐座のように見受けられました。その形状や立地から縄文以前からの磐座の可能性もあるかと。
◎社頭案内板によると、「地元の漁師が海で遭難した時、龍が海上より立ち上がり、漁師の生命を助けこの石に舞い降りたという伝説により、文政十三年(1830年)に建立され、地元の人たちに永く、万人を救うパワースポットとして崇拝されています」と。
◎これによると創建は文政十三年(1830年)のこと。ところが上記のように、古代より磐座として崇められていたものに附会した創建譚かと思います。ご祭神はこの岩に宿る神、つまり「岩神」ということでいいのではないかと。
◎アスリートや芸能人が数多参拝に訪れ、「勝負の神」などと言われているとも。祠近くの案内板には「聖石に手を当ててお願いごとを…」とあり、また「抱きつき聖石」などとも呼ばれているとか。パワースポットなどという軽薄な言葉に惑わされ参拝するのは個人の自由ですが、もし太古よりの磐座であるのなら、決して人が触れるようなことがあってはいけないはず。甚だ残念な状態となっています。


こちらが「マリテーム海幸園」。

さすがに駐車場までお借りするのは失礼かと思い、このように停め置きました。

入口にて。フロントはコロナ禍からか無人、恐る恐る進入しました。そもそもは神社が先に鎮座しており、いくら所有地内であったとしても、宿泊しないと参拝できないような建て方をしてしまったのが問題ではないかという思いもあります。もし参拝拒否をされると、神道とは何たるかを唱え抵抗するつもりでしたが。

参拝した有名人のサインなどが多数。

宿泊客用としてか、案内はしっかりされておられます。






磐座に触れるなどもってのほか。神の逆鱗に触れないことを祈ります。