領有神 (附 奇跡の窓)
(うしはくがみ)


志摩国答志郡
三重県鳥羽市安楽島町
(伊射波神社「安楽島町1020」からさらに250mの山中)(P有、アクセスは下部写真にて)

■祭神
領有神


志摩国一ノ宮 伊射波神社が頂に鎮座する「加布良古崎(かぶらこさき)」のさらに先、岬の突端、山中に鎮座する社。
◎創建由緒等は不明。「領有神」というからには地主神だったのでしょうか。「うしはく」について國學院大學デシタルミュージアムのサイトでは、「土着の神がある地域を占有支配する」としています。
「万葉集」には全6例の「うしはく」の使用が見られると。
*神が航海の先導や安全の目的で、船首や船尾に祭られていることを意味する三例
*山を支配する神を主体とする例
*皇神(すめかみ)を主体とする例
*沖つ国(海のかなたの常世の国)を支配する冥界の神を主体とする例
当社の場合、「海」「山」「沖つ国」のいずれかと同じ使用例ではないかと見受けられ
他にも記の神代条や、「延喜式」の「崇神を遷し却る」祝詞の「うすはく」等の例も挙げています。
◎社殿は無く、鳥居と綺麗な山の形をした磐座が一体のみ。御神体と思われます。海上の守護神として奉斎が続けられているようです。
◎すぐ側には近年「奇跡の窓」と称されるようになった場所があります。ここだけ木々が取り払われぽっかりと窓が開いたような状態に。注連縄が掛けられており、冬至にはちょうどこの窓から見える地平線から朝日が昇ると人気のスポットに。いつの頃からこういった様子になったのかは不明なものの、古来より神聖な地として考えられていたのかもしれません。



駐車は伊射波神社満留山神社の専用Pにて。

この案内図にも領有神が記されています。伊射波神社まで徒歩25分とありますが、40~50分ほどかかり、当社までは1時間近くみておいた方がいいかと思います。

こちらが伊射波神社。向かって右手の建物の脇から進みます。

小さな案内板が立てられています。ここからはほとんど平坦な山道、5分ほどで当社へ。

東屋の奥に鳥居が見えます。




こちらが「奇跡の窓」。伊射波神社の氏子さんに朝日が昇る写真をたくさん見せて頂きましたが、とても神々しく美しいものでした。