■概要

◎「倭姫命世記」に登場する神。皇大神宮の別宮であり志摩国一ノ宮である伊雜宮の創建に関わり、また同じく志摩国一ノ宮である伊射波神社などで祀られる神。

◎「倭姫命世記」で語られるのは以下の通り。

垂仁天皇二十七年の段、「鳥の鳴き声が高く聞こえて昼夜鳴き止まない。これは何かあると感じ志摩国へ赴く。すると伊雜の方上葦原の中に根本は一つ穂は千という稲があり、白真名鶴が咥えて飛び廻ったりつついたりしていた。それを見た倭姫命は物言わぬ鳥が田を作っている、恐れ多いことであると。物忌(「潔斎」のようなもの)を始め、伊佐波登美神に命じて稲穂を抜き、皇太神の御前に懸久真に掛け奉り始めた。(中略) 稲の生える伊雜の方上にある地を千田と名付けた。そこに伊佐波登美神の神宮を造り奉り、皇太神の摂宮と為した。これが伊雜宮である」(大意)と。

◎何の前触れもなくいきなり伊佐波登美神が登場しますが、志摩国を治めていたことが分かります。
この神の本宮とされるのが「安楽島町二地」。「エクシブ鳥羽本館」というホテルの海辺の庭園が推定地。製塩用土器や祭祀用具など夥しい量が出土し裏付けされました。


■祀られる神社(参拝済み社のみ)

伊佐波登美命鎮座地神祠(倭姫命舊跡地「天井石
」史跡内)

※関連社