天稚神社 (南丹市)


丹波国船井郡
京都府南丹市日吉町殿田向山33
(境内に駐車可)

■旧社格
村社

■祭神


京都府のへそとも言われる、ちょうど真ん中に位置する日吉町。「桂川」の支流沿いに広がる「保野田」集落外れの高台の社。
◎「桂川」の5kmほど上流で「日吉ダム」が建設され、ダムに沈んだ集落。移住させられたのは全7集落、うち3集落の氏子となっているのが当社とのこと。
◎創建時期は不詳。古文書によると「向日之巌上に神霊降臨あり夜毎に大光を放つたので 村老が集まり神庭を設け神楽を奏したところ『吾は往古此国を発したる天稚彦なり 吾を祭らば年穀豊穣にして荘内久しく保つであらう 吾を鎮祭する処には世に久しき木を生ず』と神託あり 果たして一夜に杉三本生じた」とあるようです。
◎ダムに沈む前の地名「世木村」はこれに由来するとのこと。「向日之巌上」とあり、おそらくは降臨石なるものがあったものと思われますが、境内に移設された形跡もなく、岩ごとダムに沈んだのでしょうか。
天稚彦神のこの地においての痕跡は他に見当たらず不明。子孫があったという記述は記紀ともにありません。山城国から近江国、丹波国にかけて、この神を祀る社がちらほらと見受けられるのが気になりますが。
◎村ごと遷座したため社殿は新しいもの。新たな歴史を刻んでいくようです。