鏡神社 (蒲生郡竜王町)


近江国蒲生郡
滋賀県蒲生郡竜王町鏡1289
(P無し、道路向かい南50mほどに「道の駅 竜王鏡の里」有り、今回は急いでいたので境内横に停め置きました)

■祭神


蒲生郡竜王町・野洲市・湖南市に跨がる「鏡山」の北裾に鎮座する社。境内は竜王町に属し、境内背後は「御幸山」となっています。
◎創建時期は不明。社伝によると新羅国より来朝した天日槍尊(新羅国王子)が神宝の日鏡を「鏡山」に納めたとされ、地名由来となっています。これをもっていわゆる創祀と捉えてよいかと思います。
◎紀には垂仁天皇三年に天日槍尊が来朝したとあります。そして「菟道川から遡り近江国の北の吾名邑に暫く住んでいた。その後、近江から若狭国を通り但馬国の西に到り住みかを定めた。近江国の鏡村の谷の陶人は天日槍の従者である」とあります。
◎「鏡村」はもちろん当地のこと。「陶人」は須恵器などを製作する職人のこと。「鏡山」山中には「鏡山古窯址群」が多数あるようです。
天日槍尊は陶物師、医師、薬師、弓削師、鏡作師、鋳物師など多くの技術集団を従えていたとされます。
◎配祀神には天津彦根命天目一箇命父子が祀られています。天目一箇命は鍛冶神。南方では銅鐸も出土しており、当社には鍛冶製鉄(製銅)のあらゆる要素が集約されています。
◎当地「鏡路」「鏡山」は万葉の歌枕として150余首も詠まれています。また額田王や鏡王女も当地ゆかりの宮廷巫女の歌人であると。また源義経が当地で元服したという伝承もあり、現在はそちらの方が前面に出されているようです。
◎大正天皇が背後の「宮山」に行幸したことから「御幸山」へと改称されています。また飛地境内である「鏡山」の山頂には龍王宮が鎮座しています(未参拝)


源義経のことばかりが前面に出され、天日槍尊のことはあまり示されていないのが残念。