由義神社
(ゆぎじんじゃ)


河内国若江郡
大阪府八尾市八尾木北5-174
(P無し)

■祭神
素戔嗚尊
少名彦命


企業住居商店が混然と密集する八尾市街地内に鎮座。境内に「由義宮舊趾」の石碑が建てられている社。
◎社伝によると、創建については「由義宮(西の宮)に、神護景雲三年(769年)称徳天皇たびたびこの地に行幸され、その宮域は若江・大縣・高安三郡にまたがる広域の中心由緒深い宮跡に、広大な氏地と氏子により崇敬の精神をもって造営(以下略)」とされています。誇大表現がみられるものの、称徳天皇の離宮(西の宮)である「由義宮」跡に創建されたというもの。
◎当地周辺は称徳天皇が寵愛した道鏡の出身地であるとされます。そのゆかりの地に天皇がたびたび行幸に来ていたというもの。道鏡の俗姓は「弓削(ゆげ)」。「由義宮(ゆげのみや)」はそれに因んだものと思われます。なお宇佐八幡神託事件が起こったのは神護景雲四年のこと。
◎境内に「由義宮舊趾」の石碑が建てられていますが、周辺の発掘調査の結果、南1kmほどの「東弓削遺跡(弓削寺跡)」が有力。この辺りはかつて大和川が走っていたと思われ、たびたび水害が起こる「暴れ川」であったため流された可能性もあるかと。
また別に都留美嶌神社(後ほど記事UPします)にも「由義宮」の伝承があるとか。ただし地名が「都塚」とあるように、こちらは古墳とするのが有力。
◎社伝は続けて「荘厳な式内河内五社の一社である立派な旧社であった」としていますが、当社は式外社であり、「式内河内五社」とは何をもってどれを指すのか不明。
「中世たび重なる兵火により焼失」し、「貞享三年(1687年)氏地に天然水害多く(中略)素盞鳴命、少名彦命を祀り神社を再建して由義神社と稱す」とあり、現在のご祭神は江戸初期に勧請されたもので、社名もそれ以降のもの。つまり原初のご祭神は分からなくなっているようです。





八尾市で三番目に古い狛犬であるとか。