☆ 飛鳥川の飛石



大和国高市郡
奈良県高市郡明日香村大字稲渕
(「飛鳥川」内)
(P無し、近隣に停められそうなところも無し、いつも「男綱」のあるところから歩いています)



川を渡るために石を並べたという、何の変哲もないものが、万葉集に詠まれる「石橋」として史跡となっています。

━━明日香川 明日も渡らむ 石橋の 遠き心は 想ほえむかも━━ 巻十一-二七〇一(作者不詳)

【大意】あなたに対して遠く離れた気持ちなど持っていません。

【個人的解釈】あなたは(無実の罪で)配流となり遠くへ行ってしまわれたが、私の心はこの石橋のように決して遠くはありません。

配流となったのは人麻呂でしょうか。そこまで解釈してしまうのは飛躍し過ぎでしょうか。

この「石橋」を詠んだ歌は他にも見られます。

この「飛石(石橋)」を見る限り、当時と現在の水量はほぼ同じ。現在に至っても護岸工事もされていなければ、建物等も無し。
つまり飛鳥時代の原風景がそのまま残されています。昔も今も変わりなく美しい風景であったかと。

実は自身が小学生の頃に、担任の先生がおそらくこの辺りに住んでおられ、夏休みに遊びに来てこの石橋を渡った記憶が微かに残っています。

当時から歴男でしたが、それが万葉史跡であるとは知らずに。万葉の原風景ではありますが、私にとっては子供時代の昭和の良き原風景でも。

*写真は2019年10月と2022年5月撮影のものとが混在しています。