宮前霹靂神社
(みやさきのはたたがみのやしろ)
(みやさきかんとけじんじゃ)
大和国宇智郡
奈良県五條市西久留野町416
(アクセスは下部写真参照)
■延喜式神名帳
宮前霹靂神社の比定社
■旧社格
村社
■祭神
宮前霹靂神
五條市西久留野町の山中にある社。現在は幹線道路やゴルフ場、公園、大規模なニュータウンなどが整備されていますが、古代は奥深い山中にひっそりと佇む社であったかと思います。「産屋峯」山頂、標高は260mほど。
藤原氏の陰謀により、宇智郡に配流幽閉されて死を遂げた井上内親王の第三子 火雷神。井上内親王は配流当時に身籠っており無事出生したものの、成人になって母兄の処遇を知り憤怒。雷神となり、都から諸国七道に至るまで雷雨で襲い続けたとされる強烈な祟り神。現在の「雷(かみなり)」はこの神の「神鳴り」が語源であるとも言われます。また「霹靂(かんとけ)」は「神解け」ではないかという考えも。
◎「霹靂」の読みについては他に、「なるかみ」「さくいかづち」「ひゃくらく」「へきれき」など。
◎井上内親王を祀る御霊神社 本宮(五條市霊安寺町)の「霊安寺町御霊大名神略縁起」という書には、「雷神ハ井上ノ皇后 宝亀三年六月二十三日ニ 宇智郡ヘ御流サレアリシトキ 御懐妊アリシカバ 宇智郡ニテ 御座アリキ ソノ在所ハ大岡 内ニ小山アリ ソノ山ノ峯ニテ御産アリキ ソレヨリノチソノ所ヲ産屋ガ峯ト云フナリ」と。
◎ところが当社側は原初は自然神であるとしています。激しい落雷があったということかと。これは火雷神社の方においても同様。
そもそも井上内親王には第二子までしかいないというのが通例。その第二子 他戸親王を生んだ時でさえ既に45歳の高齢出産。火雷神そのものが後世の附会である可能性も考えられます。
*写真は過去数年に渡る参拝時のものが混在しています。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20190828/00/keith4862/3d/15/j/o1080081014554667446.jpg?caw=800)