八百富神社


参河国寶飫郡
愛知県蒲郡市竹島町3-15
(対岸が「三河湾国定公園」となっており無料P有)

■祭神
市杵島姫命


陸から400mほど離れた三河湾に浮かぶ、離島「竹島」そのものを御神体とする社。陸側には遥拝所があり、そこから渡る橋で歩いて行けます。「竹島弁天」とも称され、日本七弁天の一。
観光スポットやデートスポットなどに成り下がってしまっており、また開運や御朱印を求めたり、霊能者やらスピリチュアル云々の輩が大挙押し寄せる社。当ブログではそのような連中に対しての浮わついた情報を提供しているわけではないので、純粋に神の鎮まり様を模索していきます。
創建は養和元年(1181年)に藤原俊成が、琵琶湖 竹生島(ちくぶしま)の都久夫須麻神社(未参拝)より勧請してきたとされます。「千載和歌集」などで知られる俊成。三河国の国司となった故の勧請、もちろん在京であり現地赴任などしていようはずもないですが。
つまりそれ以前からの信仰があり、竹生島の美しさに匹敵するものとして、いつの間にか弁天信仰へと変わっていったのかと思います。これは全国各地の海辺にある信仰と同様のもの。海の守護神であり、あるときは豊漁を祈り、あるときは津波等災害無きよう祈り、あるときは外敵侵入を防ぐよう祈り、などといった海全般的なものかと。
全国に数多ある小島への弁天信仰のうち、当社がもてはやされるようになったのは、昭和の初めに橋が掛けられてから。それ以前は陸地からの遙拝、あるいは限られた司祭者等一部の者だけが祭祀のために舟で上陸していたのであろうと思われます。

※写真は2017年9月撮影のものです。


陸地の遥拝所。