高座御子神社
(たかくらむすびみこじんじゃ)


尾張国愛知郡
愛知県名古屋市熱田区高蔵町9-9
(近隣コインPに停めたと思います)

■延喜式神名帳
高座御子神社 名神大 の比定社

■祭神
高倉下命


名古屋の市街地、熱田神宮の北1kmほどに鎮座、境外摂社となっています。
◎「続日本後紀」には、「熱田大神児神」というのが日割御子神孫若御子神・高倉結御子と記され、当社はその一柱を祀っています。この神は高倉下命とされ、尾張国の祖神の一柱でも。他二柱は熱田神宮境内に祀られます。
◎創建時期は不明。天武天皇の御代とも熱田神宮創建時つまり仲哀天皇の御代とも。
当地はかつて熱田神宮を含めて北から張り出した細長い岬でした。つまり東西ともにすぐ側は海であり、現在の陸地はすべて干拓されたもの。そして背後の辺りは「高蔵遺跡」となっており、これは弥生~古墳時代にかけての複合遺跡。弥生時代のものは大量の貝塚や土器、方形周溝墓など。また古墳時代には5~6世紀の古墳が30基程度あったとされます(現存するのは1基のみ)。そして熱田神宮と当社の間に築造された断夫山古墳(160m級の前方後円墳)も、当社との関連があると考えられています(いずれも現地未確認)。こちらは規模や副葬品などから尾張国の首長級のもの、6世紀頃とされています。
◎なお春日井市高蔵町に「高蔵山」があり、五社明神社が鎮座します(記事未作成)。こちらには「俗云」という前置き付きながら、「熱高蔵宮の奥院也」とされています。当社の元の鎮座地であったのかもしれません。

*写真は2017年9月撮影のものです。