天王神社 (黄瀬)


近江国甲賀郡
滋賀県甲賀市信楽町黄瀬204
(鳥居西側すぐ横の道路沿いに空きスペース有)

■祭神
素盞嗚命


磐座を主体として奉斎される社、御神体と考えて間違いなかろうかと思われます。
当地から1.5kmほど南東にあったとされる紫香楽宮(内裏野地区)、聖武天皇行幸の際はそこから朝夕御拝していたとされます。つまりこの磐座があったからこそ、この近くに宮を営んだと言っても過言ではないかと考えます。紫香楽宮の近辺には磐座が残る史跡がいくつかありますが、当地は別格と捉えられていたのかもしれません。
ご本殿背後に座すのは高さ4m弱ほどの一体の巨岩。さらにその奥には遠目でしか確認できないもの、磐を組み合わせたような巨石群らしきものが座しています。
またご本殿から右手へ少し離れた石段を登った先には、こちらも明らかに磐を組んだ磐座が座しており、愛宕社として小祠が鎮座しています。またそのすぐ奥にも組んだものかどうかは判断しかねるものの、巨岩あるいは複数の磐の集合体が座します。
はっきりと確認できたのはこの4箇所ですが、山の斜面や山裾には他にもそれらしきものがあるようです。
創建時期は不詳ですが、聖武天皇の御宇にはすでに鎮座していたことが分かります。それまでは磐座のみを拝する原始的な社だったのかもしれません。


鳥居代わりのような巨樹が2柱。鳥居をくぐりここまで足を踏み入れた時点で、この社の尋常ではない異様さがひしひしと。


ご本殿背後の巨岩。

反対方向から。

石室かと思われるような石組み。

確認するとやはり石室ではありません。

その背後の石組み、あるいは巨岩。


ご本殿背後の山の斜面に座す、石組みあるいは巨石群。