荒木神社 (五條市今井町)


大和国宇智郡
奈良県五條市今井町905
(一の鳥居の近くに専用駐車場有)

■延喜式神名帳
荒木神社の比定社

■旧社格
村社

■祭神
(不明) ※諸説有り


「荒木山」を背後に控え、その麓に鎮座する社。◎その「荒木山」は宇智郡(現在の五條市)の中心集落、「今井」を見下ろす位置。また古代より「浮田の杜」として畏敬されてきたようです。
◎万葉集に「かくしてや なほやなりなむ大荒木の 浮田の杜の標(しめ)ならなくに」とあるのが当地のこと。山城国久世郡の与柕神社(よどじんじゃ)の「浮田の森」と後世に混同されてしまいました。枕草子に「森はうきたのもり」とあるのは、与柕神社の方のこと。
その万葉歌の中にある「標」とは「標縄(注連縄)」のこと。つまり結界が張られていたと考えられ、俗人の立ち入りを禁じるほど神威が厳しかったということに。杜そのものに結界が張られるなど、尋常ではないことかと想像されます。
ご祭神については古来から議論が交わされ諸説出されるも定説無し。「神名帳考証」では建荒木命(大荒木命)、「神社覈録」は荒城朝臣、あるいは自然神といったものやアラハバキ神などというものまで。「新撰姓氏録」には河内国神別に玉祖宿禰の祖として建荒木命、右京神別にも玉祖宿禰の祖として大荒木命として出ています。こちらは高御牟須比乃命十三世孫。また荒城朝臣については摂津国神別に出ており、こちらは天児屋根命之後と。いずれも当地での痕跡は見えず、確定できない状況。
◎ご本殿は見えず、その先はいわゆる「浮田の杜」。現在も禁足地といった感じになっています。


奥に見えるのが「浮田の杜」。

駐車場はこの朱の鳥居横に。