大穴持神社 (御所市朝町)


大和国葛上郡
奈良県御所市朝町112
(P無し、駐車は下部写真参照、10~15分ほど登山が必要)

■延喜式神名帳
大穴持神社の比定社

■祭神
大穴持命


唐笠山(宮山とも、標高322m)の中腹に鎮座する社。ご本殿は無く、カシとツツジの樹をご神体としています(かつてはサルスベリであったとか)。山頂の方角を背後としているため、山頂を拝しているということに。その山頂には磐座があり、石仏が彫られてしまっているとか(未訪、未確認)。
当社には「元三輪社」であるという伝承があります。唐笠山がいわゆる「神奈備」型の美しい三角錘、江戸時代には「三輪明神」と称されていたようです。「御所市史」は三輪信仰の原始を留めるものとみて、かつ吉野三山(金岳・銀岳・銅岳)を遙拝しているのではないかとみています。
この社は鴨氏に関連するものとみるべきでしょうか。鴨氏は言うまでもなく鉱山と密接な関わりのある氏族。谷川健一氏は「青銅の神の足跡」という著の中で、「御所市の朝町銅山がある」と述べ、明治25年には20人の鉱夫がいたと。また池田末則氏の説を引用して「朝町銅山から2kmほど離れた五百家(いうか)という地名は、現地ではイフカまたはユフカと発音するが、伊福部(鍛治氏族)がイホカに転じたものであろう」と。「(朝町銅山からの)その鉱脈は東南の五百家に走っている」としています。そして「風の森(志那都比古神社が鎮座)」の重要性に着目、「風の森を吹き抜ける強風を利用して、朝町からはこんだ銅を精錬する作業を行ったのではないか」と。さらに西方1kmもないところに、金属神(アヂスキタカヒコネ神)を祀る高鴨神社が鎮座します。
問題はご祭神であり、社名でもある大穴持神。もちろん大国主神のことですが、額面通りにアヂスキタカヒコネ神の父神なのでしょうか。
※写真等の情報は2018年3月のものです。


車はこのように路駐しました。

鳥居が無いので分かりにくいですが、こちらが県道215号線からの参道。

しばらくすると、このような道に。

一の鳥居

ここからはこのような山道。砂が撒かれて歩きやすく整えられていますが、それが逆に滑りやすい原因でも。

二の鳥居が見え、社務所が現れます。

玉垣内にご本殿は見当たりません。

横から見ると樹があります。

境内社は阿須伎彦根命神社、事代主命神社、阿須伎速雄命神社、高照比賣命神社。