信太森神社 (葛葉稲荷神社)
(しのだのもりじんじゃ)


和泉国和泉郡
大阪府和泉市葛の葉町1-11-47
(境内に駐車可)

■旧社格
村社

■祭神
保食神
宇迦御魂神 大己貴命 大宮姫命 素盞男命 猿田彦命 若宮葛ノ葉姫大神


正式名「信太森神社」、通称「葛葉稲荷神社」。ネット等では誤情報が流れていますが、上記が正しいようです。
◎創建は708年(和銅元年)。元明天皇が「信太森(しのだのもり)」に坐す「楠大明神」を奉斎したのが始まり。つまり境内に坐す大楠を御神体とする社、当社では保食神としています。
◎当社には「葛葉伝説」というものが伝わっています。安倍保名という青年が狩人に追われていた「白狐」を助けます。その後、「葛の葉」という白狐が化身した美しい女性と出会い結ばれ一人の男児をもうけました。ところがあるとき白狐の姿でいるのを保名に見られ、去ってしまいます。すると境内は葛の葉で覆われていたとのこと。またその生まれた男児は安倍晴明であったと伝わっています。
狐が宇迦御魂神と同化したのは室町時代以降であると考えられています。この伝説が生まれたのはそれ以降のことでしょうか。
またご祭神に見える若宮葛ノ葉姫大神が「葛ノ葉」、つまり安倍晴明の母神であると考えられます。
◎境内の大楠は「千枝の楠」とも称され、枝ぶりの良い2000年とも言われる老樹。ただし現在の幹が生えたのは700年程度とされています。昭和53年には大枝が落樹、既に昇天していた2体の白蛇があったとか。「楠木龍王二柱大神」として境内社が新しくもうけられたようです。
◎当社は関西三大稲荷社などとも言われ崇敬の篤い大社の様相を示していますが、ここまで大きな社になったのは近年のこと。境内にも示されている「道中風景図巻」には田畑の中にわずかな樹木が林立する樹叢に、小さな祠が一殿ある程度しか描かれていません。




大楠前の小祠には楠大明神。

白狐が葛の葉姫へと化身した際に姿見をしたという井戸。


中央は塚(古墳)のようにも見受けられます。

御瀧と御瀧守護の吉廣大神。