素盞嗚神社 (新泉町、大和神社 坤の固め)


大和国山邊郡
奈良県天理市新泉町
(Pの有る大和神社から徒歩3~4分)

■祭神
素盞嗚尊


大和神社のかつての神域の四隅に設けられた「四至の固め」の一、南西 坤の方角を固める社。
◎かつてはもう少し南西の方に鎮座し「一本木さん」と称されていたとか。戦時中に飛行場の建設により移転遷座されています。「字南池辺の小丘」であったようですが、詳細は不明。
◎大和盆地で多く見られる「野神祭り」が当社にも残されています。藁で拵えた蛇・牛・馬、竹で拵えたミニチュア農具を用いた農耕儀礼。稲作が始まる5月3日に行われています。
◎地名の「新泉」の読みは「にいずみ」。万葉集にある「みてぐらを 奈良より出でて 水蓼(みずたで) 穂積に至り 鳥網張る 坂手を過ぎ 甘南備山に 朝宮に  仕へ奉りて 吉野へと…(以下略)」の、「朝宮」は大和神社のこと、「穂積」は当地のことと考えられています。「穂積」については「穂を摘むこと」や「穂の積、つまり姓のこと(大山祇や阿曇などと同様)」、「穂を積むところ」などの意味が考えられています。
文字通りに「穂を積む」ということであるなら、「新しく刈り取られた穂を積んだ」という意味から「新泉」に転訛したものと考えることも可能。あるいは穂積氏の拠点であったという考えも。

※写真は過去数年に渡る参拝時のものが混在しています。