岩神神社
(いわかみじんじゃ)


大和国吉野郡
奈良県吉野郡吉野町矢治1
(P無し、隣の駐車場らしきスペースは向かいのキャンプ場のもので駐車禁止)

■祭神
石穗押別命(イワホオシワクノミコト)


船の舳先のように突き出た巨岩を御神体とする社。国道370号線沿いに鎮座し、その巨岩の偉容さは国道からでもすぐに分かります。
当地一帯は国栖(くず、国巣)と呼ばれる人々が居住した地。ご祭神の石穗押別命は別名 記では石押分之子(イワオシワクノコ)、紀では磐排別が子で、国巣の祖神。神武東征の際に岩を押し分けて現れた国津神で、尾が付いていたと記されています。
また度会氏の系図には石穗押別命は天手力男命と同神であると。鵜呑みにするのは早急かと思われますが、神格を考えると頷けなくもないことかと。
当地は吉野川が大きく湾曲しており、古代より人々が住み着いた地。西方には「宮滝遺跡」があり縄文時代の出土物も。また天武天皇(大海人皇子)が仁申の乱が起こる前に下った吉野宮もその宮滝遺跡にあったとされています。
当社の巨岩はおそらく上古からの祭祀対象であったと考えられ、そこに具体的な神名が宛てられたかと思います。
なお地元の方に伺った情報では、東京オリンピックの年に背後の山の山頂に「八百萬神宿神社」が創建されたとのこと。





これが「八百萬神宿神社」の案内。このスペースに駐車厳禁とのこと。

周囲にも多数巨岩が座します。





向かいの吉野川。

地元の方のお話では、それぞれの岩に各人が神名を付けているそうです。