火幡神社
(ほばたじんじゃ)


大和国葛下郡
奈良県北葛城郡王寺町畠田640
(P有)

■延喜式神名帳
火幡神社 名神大 月次新嘗 の比定社

■旧社格
村社

■祭神
天児屋根命
息長帯比売命
誉田別命
玉依姫命
天照皇大神


「明神山」の東側麓、小高い丘陵地に鎮座する式内名神大社。背後は住宅開発され、かつての様子は窺いしれません。
◎当社はその社名から機織神を祀ったであろう社。そして秦氏が関与した社であろうことも推察されます。これは名神大社ながら、当社に関わる資料が非常に少ない所以のこと。
◎神名帳では一座であり、「火之戸幡姫神」とするのが「神名帳考証」。この神は紀に「天忍穂耳尊 高皇産霊尊の娘 栲幡千々姫萬幡姫命 亦云はく高皇産霊尊の娘 火之戸幡姫の児 千々姫といふを娶り給ふ」として登場しています。この神を宛てているのは社名からのものと思われます。「神社覈録」「大和志料」などは祭神不詳としています。
◎地名は「畠田(はたけだ)」、昔は「大畠村」とも呼ばれていたらしく、これは「幡」からくるものかと思います。ただこれ以外に「機織」、「秦氏」の痕跡が見出だせないのが難点。強いて言えば名神大社に列したのは、秦氏の関与があったからと考えるのが妥当であろうということくらいでしょうか。
◎現在の五柱は後の時代の勧請によるものかと思います。よくありがちな神名がずらりと。いつの時代にどのようになされたのかについての資料も見当たりません。
◎創建時期についてもよく分かりません。社頭案内は大同元年(806年)としていますが、これは同年の「太政官蝶」で、当社への神戸が十戸とあることからの誤認と思われます。従って既にこの年には創建済みであるということ。

*写真は2018年11月と2021年12月撮影のものとが混在しています。


こちらが手前の駐車場(写真左手)。おじいちゃんがなかなかこの場から離れなくて…犬ごとご登場頂くことにしました。

駐車場が無い時はこのようにして停めていました。





ご本殿の写真はこれが精一杯。


絵馬殿の中を覗いてびっくり!篤く崇敬され続けているようです。