淡嶋神社 (和歌山市加太)


紀伊国名草郡
和歌山県和歌山市加太116
(タイムズ有料P有、ただし参拝なら社務所に申請で30分まで無料)

■延喜式神名帳
加太神社の比定社

■旧社格
郷社

■祭神
少彦名命
大己貴命
息長足姫命


万葉の時代から「潟見の浦」と詠まれた景勝地、「紀淡海峡」に面して美しい海岸線が続く「加太(かだ)」。その風光明媚な「加太港」前に鎮座、観光スポットの主役の一つとして観光客で賑わいをみせる社。
◎毎年約30万体もの人形が当社へ奉納、また婦人病にご利益があるなどという風説が流れてしまい、古来より女性用下着や張形(女性用自慰用具)などが投げ込まれる「末社(当社HP表記による)」など何かと話題の社に。
◎当社は全国淡島系神社の総本社。江戸時代には当社より「淡島願人(あわしまがんにん)」という半僧半民である流浪の民(いわゆる乞食僧)が、祠を背負って全国を行脚したといわれます。そして全国に「淡島信仰」が広まったと。
◎創建由緒については、ご祭神の少彦名神と大己貴神が沖合いの「友ヶ島」に祀られたこととしています。神功皇后の三韓征伐の際に効験があったためとされ、仁徳天皇の御代に対岸の現社地に遷されたようです。
◎淡嶋神については少彦名神とする以外に、主にニ説。一つはイザナギ・イザナミ神の神生みの段で登場する「淡島神(アハシマノカミ)」。蛭子神と同様に不具の子であったために流されています。もう一つは住吉神の后である婆利塞女神(バリサイジョノカミ)。婦人病を患い粟島に流されたとしています。これが風説の広まる原因になりました。
◎当社は「式内社 加太神社」に比定されているものの、別に加太春日神社も論社に。有力なのは

加太春日神社の方かと思います。

◎なお当社は「淡嶋」、全国のほとんどの系列社は「淡島」と使い分けがなされているようです。

*写真は過去数年に渡る参拝時のものが混在しています。


参道にお店が軒を連ねます。少なくとも60年以上前からあるとか。




姿社。少彦名神(もう一体は不明)の神像が安置されています。

雛倉


遷使殿。少彦名神の使い神である「蛙」が奉納されています。

塩壷。この水を歯につけると歯痛が治るなどという風潮が…。上の祠は不明。


ご神水