白髭神社 (高島市)


近江国滋賀郡
滋賀県高島市鵜川215
(P有)

■旧社格
県社

■祭神
猿田彦命


琵琶湖に浮かぶ鳥居が有名な社で、「近江の厳島」とも。この鳥居は元々陸上に建てられたものですが、湖面の上昇により水面に浮かぶものとなったようです。
全国の白髭神社の総本山とされます。「白髭大明神縁起絵巻」(江戸時代中頃)には以下のようにあります。「狭長田の五十鈴の川上を神去った猿田彦命は(中略)、国々地々をみて近江国に至りましぬ(中略)。土俗其神霊を祠りて、神社をたつ。老翁の貌を現し給へは、白髭の神と申しぬ。また比良の神と申は(以下略)」。
猿田彦大神は「白髭神」、「比良神」、「興玉神」、「新羅神」、垂加神道では「導きの神」、また「道祖神」との習合、さらに一説として「太陽神」ともされる場合や、銅鐸との関連から「佐那神」とされる場合も。多くの神格を持ち合わせた謎の神と言えます。
社伝によると、第11代垂仁天皇の御代に倭姫命が社殿を建てたのを創建としています。この時代に社殿を建てるという概念があったかどうかは疑わしく、磐境のようなもので神祀りを行ったものかと思います。ただし、これを再建と捉える説もあるようです。
そして天武天皇の御代に「比良明神」の号を賜ったとあり、このときに背後に控える比良山地の神霊と猿田彦大神とが、習合したのではないかと考えます。社殿が建てられたのもこのときかもしれません。






岩戸社と磐座。この背後には古墳があるとか。