天石立神社
(あまのいわたてじんじゃ)


大和国添上郡
奈良市柳生町柳生字岩戸谷789
(鳥居前に駐車可、麓から鳥居前まで1kmほどの山道でやや細いが普通車でも十分走行可)

■延喜式神名帳
天乃石立神社の比定社

■旧社格
村社

■祭神
豊磐牖命
櫛磐牖命
天岩戸別命
天照大姫命


4体の巨石をご神体とする磐座信仰のメッカ。幽玄な山中に社殿無しで座し、周辺にも巨石が溢れる自然崇拝の聖地。俗説ではありますが全1323体もの磐があり、それぞれに神が宿っているとも言われています。
◎手前から順に「きんちゃく岩」「前伏磐」「前立磐」「後立磐」。後ろの3体は3つに割れたもの、きんちゃく岩は背後の崖から転がり落ちてきたものとされています。
【きんちゃく岩】
日向神社 天照大姫命 
丸型
【前伏磐】
天立神社 天岩戸別命 
板状(倒れている)
【前立磐】
天岩立神社 豊磐牖命(トヨイワマドノミコト)
板状(立っている)
【後立磐】
天岩吸神社 櫛岩牖命(クシイワマドノミコト)
板状(立っている)
◎天岩戸神話に基づき祀られたようですが、藤原氏の関与が強く鳴動がいつまでも続いたと言われています。多くの犠牲を基に成り上がった藤原氏にとっては、あらゆる祟りに怯える日々を過ごしていたということでしょうか。
◎さらに奥地には斜め一直線に割れた「一刀石」が座し、柳生家が代々修行をした場。石州斎宗厳が天狗と間違えて切ったなどという伝承まで残っています。
◎当地は風の音、水の音、葉ずれの音なども一切聞こえず、ごくたまに鳥のさえずりが聞こえる程度でまったくの無音の世界。柳生家がこの神聖な場所を修行の場としたのも頷けます。



周辺は巨石がゴロゴロ。

手前が「前伏磐」、後ろが「きんちゃく岩」。

左手が「前立磐」、右手が「後立磐」。

左手の巨石が「きんちゃく岩」。

「一刀石」