二見興玉神社
(ふたみおきたまじんじゃ)


伊勢国度会郡
三重県伊勢市二見町江575
(隣の二見シーパラダイスに有料P有)

■社格等
[旧社] 格村社
[現在] 別表神社

■祭神
猿田彦大神
宇迦御魂大神


「夫婦石」で名が知れる社。風光明媚な「二見ヶ浦」として、伊勢地方きっての観光スポットの一つともなっています。
◎その二体の岩礁は御神体ではなく、その700mほど先の海底に座する「興玉神石」が本当の御神体。「夫婦石」はその神石そして太陽神を拝するための、鳥居という見方ができるかと思います。
◎「夫婦石」は男岩(高さ9m)と女岩(4m)からなり、手前には小ぶりな屏風岩と烏帽子岩の計四体からなります。
一方の「興玉神石」は宝歴年間の地震で海没した216m×108mの巨大な岩盤。天孫降臨の砌、猿田彦大神が降ったところ、或いは猿田彦大神そのものとも言われています。
◎「二見」という地名は、倭姫命が二度見してしまったほどの美しさから付けられたもの。
創祀は倭姫命が当地巡幸の際に「興玉神石」に猿田彦大神が現れたとされ、「夫婦石」に注連縄を張り神石を祀ったというもの。
◎一方創建については、近くにある太江寺の境内に興玉社を鎮守社として建てられたのが始め。当地に祀られていた三狐神社(さんぐじんじゃ)を合祀して二見興玉神社となりました。なお現在も太江寺内には興玉神社の元社が祀られています。三狐神社は天岩屋の三宮神社として二見興玉神社境内に座しています。
ここでは宇迦御魂大神が祀られていますが、豊受大神と同神とし、日の出を表す天照大神に対し、日の入りを表す豊受大神という対の関係になっています(ここでは太陽神は天照大神であるということにしておきます)。
◎境内には輪注連縄という輪っか状に編んだ注連縄が用意され、体にこすりつけたりなどして納めるとされています。これは梅原猛氏などが指摘されているように、太陽を象ったものだと考えられます。
他にも神使として多くのカエルの置物が並べられたり、三宮神社の横に天宇受女神の立像などがあったり、境内社として竜宮社なども鎮座しています。
◎「神風の伊勢國は 常世の浪の重浪の帰する國なり 旁國の可怜し國なり」と言って伊勢に鎮まった天照大神。当地を見てのことであったのでしょうか。

◎二体の岩礁の間から朝日が昇る様子は


*写真は過去数年にわたる参拝時のものが混在しています。





禊場、「立石浜」と称されます。江戸時代は当地で参拝と禊を済ませてから伊勢の神宮へお参りするのが慣わしでした。

天の岩屋(三宮神社)

岩屋の中では現在も祭祀が行われています。




竜宮社


輪注連縄