猪鼻湖神社

遠江国濱名郡

静岡県浜松市北区三ヶ日町下尾奈瀬戸2258

(近くにコインP有、徒歩5分ほど)

■延喜式神名帳

猪鼻湖神社の比定社

■旧社格

村社

■祭神

武甕槌命

市桙姫命

ドラマのロケ地などにも使われる風光明媚な社。姫神を祀るだけあって美しい観光スポットにもなっています。三ヶ日猪鼻湖と呼ばれる奥浜名湖(浜名湖の北西端)、その三ヶ日猪鼻湖と浜名湖をつなぐ猪鼻瀬戸にあります。木々の中をくぐり抜けると現れる鮮やかな朱の太鼓橋、その先に猪鼻岩(獅子岩)の小島がありそこに鎮座しています。

創祀は不詳ながら第12代景行天皇紀元742年より以前とも。元は猪鼻湖神社と市桙姫神社があり、昭和50年に合併したとか。市桙姫神は市杵島姫神と同神と考えられます。

ところが｢文和風土記｣には二柱に加えて猿田彦神もご祭神としています。さらに｢神名帳考証｣では｢海童神(ワタツミ神か)｣としています。当地は貝塚など縄文晩期から弥生時代にかけての遺跡が集中しているところ。おそらくその頃から祭祀が行われていたのだろうと思われます。

なお猪鼻湖神社の論社は他に、諏訪神社(浜名郡新居町新居)、諏訪上下社(浜名郡新居町新居)、若宮八幡宮(湖西市白須賀)とあります。いずれも浜名湖南東部(現在の猪鼻湖は北西部)。更級日記に記される｢猪鼻坂｣、そして古代の駅｢猪鼻駅｣は南東部と推定されます。距離にして20～30kmはあるのでしょうか、どういった事由があったのかは分かりませんが。

参考→国立国会図書館更級日記の｢猪鼻坂｣に関する調査

左に突き出た小島が猪鼻湖神社。