(つづき)
2.PD音源:CASIO CZ-3000
■PD音源とナムコPSGの類似性
CZ-3000については以前こちらに記事を書きましたので、少し補足を。
CZ-3000はいわゆるデジタルシンセサイザーでしたが、ヤマハのFM音源とは違い、オシレーターの波形を選んで、フィルターで加工、エンベロープで音の伸ばし方を決めるという、アナログシンセサイザーの仕組みそのもの。
オシレーター波形は8つの中から選ぶことができました。
アナログシンセの場合はこの1,2、3ぐらいしか選択肢がありませんが、それ以外にも選べるというのが利点でした。
特にWAVE FORM 4の波形は、ナムコのPSG(正しくは波形メモリ音源)でよく使われた音に近い、と当時思っていました。
こちらがそのナムコの波形です。マッピーなどのBGMでよく使われた音。
こうしてみると、確かにCZ-3000のWAVE FORM 4の波形を左右逆にすると、少し近いですね。
ナムコの音はこちら。この動画に出てくる「5番目」の波形です。(3:35あたり)
(※これはCZの音ではありません)
CZ-3000のWAVE FORM 4の音を使って、ナムコのアーケードゲームのBGMを打ち込んだりしていました。さらにCZ-3000はリング・モジュレーターというボタンがあり、これを押すだけで金属的な音色が簡単に作れました。リング・モジュレーター自体はアナログシンセにもある仕組みですから、CZ-3000はまさに「アナログシンセのデジタルバージョン」そのものだったと言えます(ユーザーにしてみれば)。わかりやすく、使いやすいシンセでした。
■斉藤洋美のラジオはアメリカン
この当時、「斉藤洋美のラジオはアメリカン」というラジオ番組がありました。
「おもしろカセットベスト3」というコーナーがあり、何かネタをカセットテープで番組に送ると、面白ければ採用されるというもの。
私もCZ-3000で作った曲ネタ(番組内で流行っていた歌をナムコゲーム風にアレンジしたもの?)を送って採用されたことがあります。
そのときの録音は残念ながら残っていません。
■なぜFM音源ではなくPD音源?
YouTubeのコメントで、「FM音源全盛だった当時で、なぜFMではなくPD音源だったのか?」という質問がありました。
前回のシステムサコム製AMD-98 のあと PC-9801-26というFM音源ボードが発売され、そちらも購入して使っていました。PC-9801-26にはヤマハのYM2203(OPN)というFM音源ICが搭載されていました。
(CharGPTで生成)
<YM2203(OPN)のスペック>
・FM音源 3和音
・SSG音源(PSG音源) 3和音
合計6和音が出せますが、特性の違う音源が2つ、かつそれぞれ3和音のみというのが中途半端です。
またFM音源はアナログシンセとは全く違う音源方式。どういう音が出るかは試行錯誤が必要で、感覚的ではありません。楽器店のヤマハDX7を店頭で触ったりしていましたが、音自体は良いものの、使いにくいな、と思っていました。やはりCZの使いやすさがピカイチでした。
PC-9801-26は、主にゲームの音源用として使ったり、ベーマガ(マイコンベーシックマガジン誌)に掲載されていた古代祐三氏(日本ファルコムでイースの音楽などを担当)の音楽データなどを打ち込んで鳴らしていた程度でした。
高校生の間はずっとCZ-3000を使い、当時所属していた映画研究部で8mm映画のBGMなどを作っていました。
(※CZ-3000の音は 2:38から)
この動画でPD音源の音を初めて聴いた方も多いようで、FM音源ともPCM音源とも違う音が興味を引いたようでした。
いまYouTubeなどでもCZの演奏動画を見るようになり、再評価されているように思います。
このあと大学に入ってからローランドのMT-32を購入し、さらに作曲の幅が広がりました。
(つづく)



