J-PARCのつづき。
今回は右の大きなピンクのおむすび。メインリング(MR)です。
小さなオレンジのおむすび RCSから来た陽子ビームを、さらにメインリングで光速の99.95%まで加速してニュートリノ実験施設やハドロン実験施設に送ります。
こちらも地下10mへ下ります。
RCSと同様の電磁石が並びます。
青いのが偏向電磁石、黄色が四極電磁石。こちらも日立製。
さて、よく見ると「50GeV」と書いてあります。
今はメインリングは 30GeVシンクロトロンと呼ばれていますが、2009年は違いました。50GeVシンクロトロンでした。
その後、50GeVではなく30GeVでよいことになり、名称が変わったようです。
加速器の心臓部とは、高周波加速装置のことを指します。
RCSと同じく、加速している本体はこれなんですね。
左の銀色の冷蔵庫のような箱が真空管増幅器、その右にある銀色の筒状の装置が加速空洞。東芝製。これもRCSと同様ですね。
これは陽子ビームが通る真空のパイプの中でしょうか?
ここは出射セクションですが、これはキッカー電磁石でしょうか?
陽子ビームの角度を曲げるもの。
こちらはセプタム電磁石。これもビームを曲げます。
こちらは三菱電機製。
出射セクションにはこのようなハシゴと陸橋が用意してあり、上から見ることができました。
上から見た景色がこちら。迫力があります。
このように3方向に分かれるのがよくわかります。
行き先は、左からニュートリノ実験施設、真ん中がメインリングの周回。一番右がダンプと呼ばれる、不要な陽子を捨てるための分岐です。
ニュートリノ実験施設へ行くルートは「速い取り出し」。
もう1つ「遅い取り出し」というルートがあります。ハドロン実験施設へ行くルートです。
遅い取り出しでは、陽子の塊(バンチというそうです)に強力な電場を掛け、陽子ビームを横に太らせます。
その横に太ったものの一部が装置の中のタングステンや銅の壁を越えて、カンナのように削りだされて分岐していくそうです。
陽子の1つのバンチは長さ50mほどあるそうです。私の想像では陽子1~2個を加速しているのかと思っていたので、全然違いました。なんか本当に塊っぽいものが真空パイプの中を飛んでいるんですね・・・不思議です。
メインリングは、加速器のメイン。しかも一周1567.5mあり、規模が大きいです。
ただ大きすぎるゆえに見学で全部を見ることはできません。
技術的なことがわからないと、ちょっと地味な感じがしました。
このブログを書くためにJ-PARCの説明をいろいろ読みましたが、紹介動画なども研究者の自作が多く、面白かったです。説明を読んでから見学に行くとまたよいなと思いました。
(つづく)
<訪問日:2009年8月>