D2Hを諦めるとして、じゃあどうするかが問題です。
キヤノンに鞍替えするか?
それが一番の選択肢でしょうし、そうしたカメラマンも多かっただろうと思います。
私が選んだのは、旧機種への移行。
ニコン D1Hです。
ニコンのフラッグシップ機は、D1のあと、D1HとD1Xの2つがありました。
高速連射のD1H。高画素数のD1X。
D1Hは、わずか 266万画素。D100が 610万画素ですから、半分以下。
2,000×1,312 ピクセルなんて、今だったらPCディスプレイの表示画素数より小さいくらい。
電池はニッケル水素。D100以降、リチウムイオン電池が当たり前になっていましたから、これはかなりのハンデです。
しかしそれでも私はD1Hを選択しました。2005年の暮れでした。
結果的にはこれが成功。
266万画素CCDは、意外と暗いところでも綺麗な発色をしてくれました。
レリーズタイムラグは、D2Hには劣りますがスポーツ用途としてはまずまず。
一番の悩みは電池でした。
持ちが悪いし、重い。それに冬は温度が下がると電池の持ちもさらに悪くなります。何本も予備電池を持ち歩く必要がありました。
背面液晶はとても小さく、細かい確認はできません。画素数が少ないのでトリミングも制限されます。使い勝手は決してよいとは言えません。
それでも、発色の良さには代えがたいものがありました。
D1Hの性能に安心し、2台購入しました。上のD1H写真は、もう1台のD1Hで撮影しています。
以前掲載したこちらの写真も、D1Hで撮影したものです。
これでしばらく戦っていましたが、旧機種で撮影し続けることの葛藤はありました。
正直、D100の610万画素CCDで、高速連射のフラッグシップを出してくれたらいいのに、と。
誰もが思っていたと思いますが、おそらく610万画素CCDで高速連射は技術的に無理だったのでしょうね。
その後、高画質・高速連射のキヤノン 1Dmark-III が発売され、キヤノン党の友人が購入したときは何とも言えない敗北感・・・
やはりニコンに見切りをつけるべきか、と本気で考え始めました。
しかしその直後です。
業界に衝撃が走ったのは。
ニコン D3の登場です。(つづく)
※今から考えると、D1Hではなく D2Xを買う選択肢もあったかな、と思います。
スポーツとは言え、レリーズタイムラグ重視だったので、連射性能はそれほど必要ではありませんでした。
一番のネックは高ISO時のノイズ耐性。D2XはSONY製のCMOS。高ISO時はノイズが多いという噂もあり、躊躇しました。ただ、1284万画素もあるのだから、縮小してノイズリダクションをかければ十分に使える画質になったかもしれません。