厚生労働省による5年に1度の年金財政検証の報道がありました。合計特殊出生率の仮定を2070年時点で1.36としているようです。現在の合計特殊出生率は1.2です。甘い仮定になっているわけです。せめて、将来に亘って1.2で試算すべきでした。これだけで、この検証を検討する価値は無くなってしまうでしょう。出生率でどれだけの影響が出るのか、分からないからです。
年金は、なるようにしかなりません。あるいは、なるようになるものです。財政が破綻しないなら、年金制度だけが破綻するということはありません。いざとなったら、財政を投入することになります。年金制度が孤立して存在しているわけではないのです。今の消費を減らすことはない。
新NISAについても、貯蓄から投資へということならともかく、消費から投資へになっている可能性があります。今の消費を減らす可能性があるのです。お金を借りてまではいけませんが、消費は大切にすべきで、消費を減らしてまで投資するのは、問題です。もちろん将来不安があるからで、だからこそ、この試算結果は不安を打ち消そうとしたものかもしれませんが、甘いとはっきり分かるような仮定はすべきではなかった。