現実的方法 | 政治経済とガンバだけ

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大阪在住。熱烈なガンバファン。固定資産税の国税化、雇用重視の法人税制、企業別最低賃金制度などを提案。

国民資産は使えるはずです。分かりやすいのは出資金で、減資して剰余金を出すのは、よくあることです。おそらく財務省が、国民資産はあっても使えないなどというキャンペーンを張ってきたのは、国民資産を認めると、すぐに特殊法人を潰すなどという極端な議論になりがちだからでしょう。しかしそれは、官僚の生存本能を脅かすことになる。結果的に、結局は何も進まない。天下り先の給料は十分に確保しながら、1兆円規模で資金を放出してもらうのが、最も現実的な方法です。

高橋洋一氏試算の国民資産に入っているかどうかは不明でしたが、170兆円分の外貨準備は、あっても非常に使いにくい資産です。円高にするには、このドルを使うしかないわけですが、170兆円分といっても限られているので、想定の為替水準を間違ってしまうと、急速に減らしてしまう可能性がある。例えば1ドル150円という水準にこだわってしまって、170兆円分を使い切ってしまうと、そのあとどうしようもなくなる。元財務官の榊原英資氏が言っていましたが、10分の1くらいが使える限度で、それ以上を為替介入に使うのは、非常にリスクが高い。

ここまで円安が進んだのは、黒田日銀後半で円を刷り過ぎたからです。円高から円安にするのは、非常に簡単です。黒田さんのように、円を刷り続ければいいわけです。これは、為替介入というかどうかは別にして、無限に続けることが出来ます。しかし円安を円高にするのは、非常に難しい。手持ちのドルは限られているからです。言ってみれば、黒田さんは、円高という日本の財産を気前よく取り崩していたということなのです。黒田日銀前半については、超円高だったということで良かったと思いますが、そういうことだと認識せずに、延々と続けたのは問題でした。ちなみに、国民資産は、手持ちのドルと同じ意味合いで捉えることが出来ると思います。