皆さん、こんにちは。
佐伯恵太です。
外出自粛の日々が続く中、オンラインでの会議や飲み会などが流行っていますよね。
ZOOM会議やZOOM飲み、そして、ZOOM演劇というものも登場しました
こちらは『劇団ノーミーツ』さん。
"NO密で濃密なひとときを"をテーマに、打ち合わせから本番まで1回も会わずに活動するフルリモート劇団です。
この動画を最初に観た時は衝撃的でした......
ZOOMとホラーがこんなに相性が良いなんて。
四画面に分割されていることを効果的に使って、同時多発的にいろいろ起こるという展開だったり、ZOOM飲み会をしているというシチュエーションのリアリティもあって、何度観てもゾッとします......
twitterで50万回以上再生されていて、再生数という面でもポテンシャルを感じました。
ホラー作品以外にも、コメディなど様々な作品が登場しています。
こちらは「自粛期間の恋人たち」
二分割された画面が示す空間の距離を、二人の心が繋ぎます。
あたたかい作品ですね。
こちらは『劇団テレワーク』さんの動画です。
生配信で行われた劇団テレワークさんの第1回公演、上演時間はなんと1時間15分
劇場で観る舞台と変わらないくらいの上演時間ですが、リアルタイムで観て、最初から最後まで笑いました
そんな中、ご縁があって僕もZOOM作品に出演いたしました
「ZOOM飲み会してたら知らない人入ってきた」
「Zoom-Bombing」といって、不正にパスワードを入手するなどしてなりすましがZOOMに紛れ込んでくるような事件が実際に起きているようです。
皆様もくれぐれもお気をつけください......
さて、前置きが長くなってしまいましたが、こんな無限の可能性を秘めたZOOM演劇(映画)に出演したいという俳優の皆さんに向けて、一度ながら出演してみての経験を踏まえて、綴っていきたいと思います。
まずZOOM撮影で大事なことは、ZOOMの使い方を知っておくことです。
※ZOOMの使い方はたくさんの記事があるので知らない方は検索してみてください
当たり前なのですが、これができていないと、パソコンやスマホの前で時間通りスタンバイしているのに、一人だけZOOMに入れなくて迷惑をかけてしまう、ということになりかねません。
また、パソコンやスマホなど使っているデバイスによって各種ボタンの位置が違ったり、画面の表示のされ方が違うこともあるので、撮影前のテストをスマホでやって、本番をPCでやる、みたいなことはオススメしません。
PC・スマホ間で画面の明るさなども変わってくるので、そういう面でも、本番で使うデバイスで事前チェックをしておくのがオススメです。
電波状況も合わせて確認しておくことが大事です。劇団テレワークさんの生配信中も時々声が聴こえにくくなったり回線が途切れたりしていましたが、もし1時間を超えるオンライン配信の序盤で完全に切れてしまったりしたら、大変なことになりますよね・・・
画面の見え方については、
僕が出演した際には、自分のPC画面ではこのように見えていましたが、他のメンバーの見え方は違うようでした。
それぞれが表示されている位置が違うということは、誰かが喋っている時にその人の方(画面上の位置)を向くと、目線がバラバラになります。
感覚的に、目線の違いだけだとそんなに気にならなかったです。
しかし、指差しや大きなジェスチャーをしてその方向があまりにもバラバラだと気になるかもしれません。
そして、自分が喋る時に画面上の他のメンバーの顔を見て話してしまうと、相手にとっては「目を見て話してくれていない」という風になります。
自分が話す時に必ずカメラを見る、という必要は無いかと思いますが、特に感情をしっかり相手に届けたい時などはカメラ目線の方が、相手役の方に気持ちを届けやすいかと思います。
俳優は従来の撮影だと基本的にカメラを見ちゃいけないので、お芝居をやっているのにカメラを見る、というのが感覚的に難しいかもしれません。
ですので、ZOOMにフィットした目線の使い方ができるように、慣れておくと良いと思います
パソコン(スマホ)で、離れた相手と、画面上でお芝居をする。
そのために起きる問題、考えなければいけないことが色々ある、というところですね
それともう一つ、重要なポイントがあります。
ZOOM撮影をする時は自宅で撮影をすることが多いです。
部屋を綺麗にしておくとかそういった前準備はもちろんのこと、部屋の装飾や明るさの調節など、色々必要になってくることも多いです。
部屋の明かりが暗めの方は特に、別で明かりを足す必要があるかと思います。
コイツがいい仕事をしてくれました。
最後の焦っているシーンでちょっと青ざめた感じに見えるように、色々試行錯誤しました。
同じ作品に出演された荒川泰次郎さんは、不気味に見えるように部屋を暗くして顔だけが見える工夫をされていました。
怖い・・・
また、途中で出てくる「彩加おめでとう!」の文字を書いたノートも自分で用意しました。何かセリフ+αの部分で画面にインパクトを与えられたらという考えで用意してみたところ、監督に採用していただきました。
他にも、僕の役は2.5次元舞台の俳優という設定があったので、部屋の隅っこに体幹を鍛えるためのバランスボールと、殺陣稽古用の木刀を置いてみました。
しかし自分の体と被って一瞬しか見えなかったのは反省です・・・
さらに、衣装は自前、ヘアメイクも自分ですることが多いと思います。
そう考えると、いつもは俳優部としてお芝居だけしているのに、衣装部、美術部、照明部など色々兼ねるということでもありますね。
いつもどれだけの方に支えられて、俳優部としてお芝居に専念させていただくことが出来ているのか。
そのことを、ZOOMでの撮影を通して感じることも出来ました
他にも細かいところは色々ありますし、僕が気付けていなかったこと、気づいていながらも出来ていなかった部分もありました。
(タイトルに全て語りますと書いてるのに全ては語っていない件)
それでも、わかった部分だけでも共有して、これからZOOMでの作品づくりに携わっていこうという俳優の皆様のお役に立てましたら幸いです。
こんなに長々と書いてしまったので、もしかしたら「大変そう・・・」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。実際にやってみるとすぐにやり方がわかりますし、まずZOOMになれるためにZOOM飲みをしよう、という感じで楽しみながら進めていくのも良いと思います
こんな時期でもエンタメを届けたいお芝居がしたい
という俳優やこの業界の方々の姿勢が僕は大好きだし、その中でいま大きな存在感を示しているZOOMに多くの俳優が慣れていけば、作品づくりはもちろん、オンラインでの演技レッスン等ももっと普及し、様々な可能性が広がっていくことと思います。
僕自身もまたチャンスがあればZOOMに限らず、リモートで撮影する作品に携わりたいですし、これからもリモート撮影ノウハウを勉強していきたいです。
作品に出演された皆さんはぜひ、可能な範囲でノウハウをこんな風に公開していただけたら嬉しいです
最後までご覧くださりありがとうございました