皆さん、こんにちは。
佐伯恵太です。
昨日、 新作歌舞伎『NARUTO -ナルト-』を観に京都の南座へ行ってきました
一言で言えば、最高
感動で涙が止まりませんでした
僕は原作ファンでもあるのですが、長い原作が3時間くらいの作品として、しっかりまとまっているのがまず凄いです
原作が長い場合は序盤の部分だけを切り取る形になったり、反対に全体を描こうとし過ぎて原作を知らない人にはついていけない感じになったりしそうなものですが、本当にバランスが絶妙でした。
シカマルやシノなど僕が大好きなキャラクターが少ししか出てこないという面はありましたが、それも納得という感じで、素晴らしく見応えのある内容でした
原作が漫画やアニメの作品の歌舞伎ってどうなんだろう
と思われている方もいらっしゃるかと思いますが、実際に観ていて思ったのは、凄く相性が良いということ。
まず、漫画ってキャラクターが実際の人より顔立ちがはっきりと描かれることが多いので、歌舞伎のメイクがなんとも絶妙にマッチします
そして、歌舞伎なので重要なシーンでは見得を切ります。
これが、まさに漫画の1ページを切り抜いた感じに見えるのです
お芝居はいわゆる一般的な歌舞伎よりはストレートのお芝居に近い感じではありますが、やはり歌舞伎ベースなので言葉の一文字一文字を大切にしている感じがあります
漫画やアニメって名言が多いので、言葉がしっかりと受け取れることで、よりズドンと響くものがあります。
立ち回りについても、いわゆる歌舞伎の様式美的な立ち回りと、動き、スピードともにリアルな格闘に近い形を織り交ぜているので、
スピード感もありつつ、全部をリアルでやらない分「想像させる」それこそ漫画的な奥行きがあるようにも感じられます。
そういうベースがあって、その上にプロジェクションマッピングの技術などが乗っかって、忍術などもしっかりした臨場感で観ることができます
臨場感と言えば、圧巻だったのはナルトの影分身の術。
実際の人が何人もで分身を演じる。やはり人がやることが一番凄いなと......
歌舞伎なので女性のキャラクターも男性が演じるわけで、そのあたり心配される原作ファンの方もいらっしゃるかもしれませんが、僕の感想としては、最初の一瞬以外全然気になりませんでした
中村梅丸さんのサクラちゃんは可愛かったし、市川笑也さんの綱手も、凄い風格がありつつ、女性としての品も感じられました。
やっぱり大事なのは感情で、気持ちが本物であれば、そこに違和感というのは無くなっていくものだなぁと感心しました。
サクラちゃんは何度か完全にサクラちゃんに見えて、驚いてしまいました。
キャラクターの再現度の面ではイタチや鬼鮫も凄かったですし、
必ずしも皆さん全員が声を(アニメの声優さんに)寄せて演じていらっしゃるわけではありませんが、声はちょっと違うなと感じたカカシも、飄々としていながらも自分に厳しく、仲間に優しい、そんな人物像はまさにカカシそのものでした
ここからはメインのお二人について。
坂東巳之助さんのナルトは観ていて応援したくなります。
それが、ナルトの一番芯の部分だと思うので、ナルトを演じてくださってありがとうございますの気持ちです......
中村隼人さんのサスケは、そんナルトとは一見すると正反対。水と油のような存在ですが、決して「悪」ではなく、本当は強い責任感、そして優しい心も持ち合わせている。そんなサスケそのものでした。立ち回りも凄いです......(本当に大富豪同心の卯之吉と同一人物なのか。中村隼人さんも影分身してる説)
ちょっとキャラクターに言及していくと無限に書けてしまいそうなのですが、この辺で。
本当にあっという間の3時間で、こんな素晴らしい原作を、日本の伝統芸能、歌舞伎で表現するという奇跡に立ち会えたことが幸せでした
新作歌舞伎、ハマっちゃうかもなぁ