皆さん、こんばんは。

佐伯恵太です目

 

このブログで度々紹介しているEテレ『ろんぶ〜ん』

 

今日のブログでは前回放送の内容をお届けしますひらめき電球

 

 

『ろんぶ〜ん』は「論文」をわかりやすく面白く紹介していく番組なのですが、前回のテーマは・・・

 

 

宇宙人でした

 

 

(絵:佐伯恵太)

 

 

 

1つ目に紹介された論文のタイトルはこちら。

 

 

Anthropology of "First Contact"

ファーストコンタクトの人類学

 

この論文は、文化人類学の専門家である京都大学大学院教授の木村大治先生による研究です。

 

 

先生が「アフリカ人類学」の研究をされてきた経験も踏まえて、宇宙人とのコミュニケーションについて様々な角度から検証された論文です目

 

 

先生は、まず下記の2つを参考にされました。

 

・これまで試みられた宇宙人とのコンタクト

・宇宙人が登場するSF作品

 

番組では具体例が紹介されていましたが、古くは1970年代頃から宇宙人に向けたメッセージが宇宙に向けて発信されていた、ということにまず驚きましたびっくり

 

 

で、色々みていくと、今までの例では我々地球人と宇宙人の間に「数学」「物理学」などの共通の法則があることが前提で宇宙人へのメッセージが発信されていたり、宇宙人とコンタクトを試みていたそうですひらめき電球

 

なので、僕たちの常識が宇宙人にとっての常識ではなかった場合、うまくコミュニケーションが取れないわけです。

 

 

そこで先生は、地球人と宇宙人が出会ってから、一緒に規則をつくっていくということについて検討されましたビックリマーク

 

 

そして先生がヒントを得たのはなんと絵本!!

 

「こぎつねコンとこだぬきポン」という絵本に登場する初対面のキツネとタヌキは、お互いの仕草を真似することでコミュニケーションを取って、互いのことを知ろうとします。

 

 

地球人と宇宙人の間でも、まず真似をするということがコミュニケーションの、そしてお互いを知ることのきっかけになるはずだ、ということですひらめき電球

 

 

しかし、今まで出会ったことのない両者が互いのことを理解しようと努力するのでしょうかはてなマーク

 

 

先生は、アメリカの哲学者ドナルド・デイヴィドソンの言葉から、大きなヒントを得ることが出来たそうです。

 

その言葉とは、

 

人は相手の曖昧な言い方を寛容を持って引き受けそれを解明しようと努力する

 

つまり

 

人は相手のことがわからなくても理解しようと努力する

 

ということです。

 

 

そして、これはきっと人間同士に限らず、地球人と宇宙人の間でも成立するはずである。

 

 

何故ならば、

 

生命には

 

・自己の維持=生きていくこと

・自己の複製=数を増やすこと

 

が必要で、そのためには自分の理解できない「他者」という存在を理解しようと努めなければならない。

 

言い換えれば、他者を理解する精神がなければ滅んでしまうから、滅んでいない宇宙人にはその心得が備わっているはずだ。というところでしょうか目

 

 

 

宇宙人の研究というのは、宇宙人が存在するか否か、存在するとすればどういう環境なのか、というようなものばかりだと思っていたので、

宇宙人とのコミュニケーションについての研究があるなんて驚きましたびっくり

 

宇宙人がいるかどうかもわかっていないのに・・・

 

 

しかしこれは「コミュニケーションの研究」としても意義があるようで「究極の他者」として宇宙人とのコミュニケーションを想定することで、色々なことが見えてくるそうですビックリマーク

 

 

確かに、同じ人間同士でも全然理解できない時があるので、宇宙人を想定することで広い視野で考えられたり、新たに見えてくる部分がありそうです目

 

研究のために「絵本」から「哲学者の言葉」まで広い守備範囲であらゆる情報を集めているというのがまた凄いですよね・・・

 

 

 

 

 

ところで僕は、大学、大学院と生物学の勉強や研究をしてきて、昆虫の凄さを目の当たりにしてきましたビックリマーク

 

「虫けら」なんていう言葉もある、一見するとちっぽけな存在ですが、人間より遥か昔から繁栄していて、運動能力や効率の良い脳の構造など、ある見方をすれば人間よりずっと凄い。

 

そう思った時に「一見自分の方が優れているように見えても自分が遥かに及ばないところがあるものだ」というのを強く感じました!!

 

これは人間同士にも言えることですよね。

 

僕はそのことを、生物学の研究を通して強く実感できた部分があります。

 

 

宇宙人とのコミュニケーションの研究が人間の相互理解やコミュニケーションにも役に立つというのと、少し通ずるところを感じました。

 

人間のことを考えるにあたり、時に人間以外のことを考えることで見えてくる部分もある、ということですねひらめき電球

 

 

宇宙人と出会ったらどうやってコミュニケーションを取ろうか。

 

これから暇さえあれば考えてしまいそうです目

 

 

 

この放送回で紹介されたもうひとつの論文は、

 

赤色矮星周囲のハビタブル惑星におけるレッドエッジの位置

 

という論文でした。

 

こちらは天文学と生物学をかけ合わせた「アストロバイオロジー」という研究分野の論文でした。長くなりすぎるので割愛しますが、とっても面白い研究でしたビックリマーク

 

 

本日25時からEテレで再放送がありますので、気になる方は是非ご覧くださいひらめき電球

 

 

2019年のろんぶ〜んも楽しみです!!