演技と音楽のお話。
 

映画にも舞台にも、主題歌や挿入歌など、色んな音楽が使われますが、それとは別に、役者として自分が演じる上で密かに設定している「その役のテーマソング」や「その作品の世界観の歌」などがあります。

 
 
映画『君の向かい側に立つ』の時も、達哉という役を演じる上で、音楽を設定していました。
 
 
ASIAN KUNG-FU GENERATIONさんの「ソラニン」を、達哉がよく聴いている曲として、実際に日常的に聴いて、また告白をしようとする(結局できない)シーンの撮影前などにも聴き込んでいました。
 
 
先日上演していた舞台『FFファンタジー』では勇者イルジオ役を演じましたが、この時はイルジオのテーマというより、ゲームの世界観に自分をフィットさせるために、
 
交響組曲 ドラゴンクエストⅢ より「そして伝説へ」を聴いていました。
 
さらにその後『ファイナルファンタジーⅩ』の「ザナルカンドにて」という曲を聴いて、ゲームの世界の壮大さと、現実の儚さという感覚を染み込ませていきました。
 
舞台の時はこの2曲を開演15分前くらいに聴くというルーティーンがありました。
 
 
舞台で言えば同時上演の『Station』には特に音楽を決めていませんでしたし、常に音楽を設定することを義務化しているわけではありません。
 
しかし、音楽が役やその世界のイメージを深めてくれること、気持ちの、感情の手助けをしてくれることがよくあります。
 
先日の舞台を観てくださった方も、曲を聴いて、イルジオはこんな曲によって作られていたのか〜と想像しながら改めて舞台を思い出して、お楽しみいただければと思います。
 
役を演じる上でのアプローチはたくさんありますが、その中で一つ大切にしている、演技と音楽のお話でした。