涙ソムリエの佐伯恵太です。

 

今日ご紹介するのはこちらの動画です。

『ねこ勉〜Cats Learning〜』

 

 

この動画はネタバレというか、ストーリーを知っていても楽しめる、泣ける動画だと思いますが、一度も観たことない方は是非一回目は何も読まずに観てみてください。二回目以降を少し違った味わい方をしていただくための内容になればと思いつつ、続きを書かせていただきます。

 

ブログタイトルに "ねこ系感動ムービーの最高到達点!?" なんて書いていますが大げさではなく、少なくとも僕の中でこれくらいの尺(5分前後)の動画の中では圧倒的に大好きな動画です。

 

 

ちょっと話が逸れるのですが前提として。僕が「泣ける動画」として誰かに動画を紹介させていただく時や自分自身が「涙活しよう」という感覚で観るときに極力避けたいとこがあって、それは「悲しい」「辛い」ばかりの動画は避けたいということなんです。映画などでも度々描かれる大切な人の病気や死。人間がそういうことに凄く繊細に心が動くこと、当事者でなくても共感して涙を流せること、それ自体はとても尊いことだと思っています。しかし「泣いてスッキリしたい!」「思いっきり泣いて明日からまた頑張りたい!」というような涙活の感覚で観る場合にはもっとこう、ポジティブな涙はないものかと常々探しているのです。

 

最近twitter上でも、涙活したいと思って泣ける動画を探したら全部話が重くて逆にしんどくなってしまった......

 

というツイートを見つけました。そしてそういう重い動画ばかりを涙ける動画、などと謳って勧めているのが涙活、と思われがちなんですね。僕としてはむしろ逆で、できるだけポジティブな気持ちで泣けるものだったり、いかにも、というものよりは意外にも泣けてしまう、というものを日々探していて、そういったものを勧めていければと思っています。

 

それで動物系の動画はというと、飼っていた犬や猫が亡くなってしまって、という動画が多いんです。割合として。動物系の動画が一番ハマるのは実際にその動物を飼っている人のはずなのに、結果、亡くなってしまう動画ばかりというのは何だかなあと以前から思っていたところだったのです。

 

『ねこ勉』は違います。登場する猫は二匹ともめちゃくちゃ元気です。元気だった猫が......なんていう悲しいオチもありません。

※写真で出てくるおじいちゃんは亡くなっていますが動画の中ではなく過去の出来事として写真が出てくるのみです

 

おばあちゃんと猫二匹で暮らしている家。その家に一匹の犬が「ある教材」を配達に来ます。それはなんと猫が勉強できる教材。その教材を使って二匹の猫はおばあちゃんに気づかれないように勉強します。勉強の内容はしっぽを振って喜びを伝える方法や、肉球を使った肩もみなど、おばあちゃんに喜んでもらえること。

 

そうして猫たちが日々勉強をして、季節は春から夏、秋と変わっていきます。そうしてやってきたクリスマスの日、クリスマスツリーを飾ったりちょっぴり普段より華やかな部屋の中で、おばあちゃんがおもむろに立ち上がっておじいちゃんの写真を手に取ると、想い出が蘇ってきたのか涙が溢れ出してしまいます。それを観た猫たちは......

 

というストーリーです。

 

このストーリーそのものも大好きなのですが、このファンタジーの世界観を、日本の四季の美しい風景、そして淡くて綺麗な色彩が何倍にも引き立たせているんですよね。そして歌もとっても素敵です。サビの最後の歌詞がなんとも映像にベストマッチなのです。

 

「悲しい思い出 笑い話す 今日が一番幸せかな」

 

 

泣ける動画もポジティブな方がいい!なんて言っておいて一見矛盾するようですが、最近思うのは、全ての泣く時の感情っていうのは思い出の逆張りがあってこそなんですよね。

 

楽しい思い出がある。素敵な日々があった。だからこそそういう人と別れたり、会えなくなるのは悲しくて泣ける。

 

ものすごく辛い練習に耐え抜いた。他のことをたくさん犠牲にした。だからこそ試合に勝てたことが嬉しくて泣く。

 

というように。だから本当に悲しみや痛みがゼロの涙なんていうものはきっと存在しないのです。そして、悲しい思い出を笑って話せるようになるのが人間のたくましさであり、生きるということなのだと。だけど一方で人間は弱い存在でもあって。だからそうやって悲しかったことを笑って話せるようになるのは一人では無理で、そこにはたくさんの人の支えがあったりします。そう考えると仲間がいること、仲間を作れること、それが一番の人間の強みかもしれないですね。

 

そんな考えてみれば当たり前の、でもつい忘れがちなことを思い出させてくれる動画でもあるのです。

 

この動画は猫が勉強するというファンタジーの世界ですが、僕の妄想の中ではおじいちゃんが亡くなる前に、おばあちゃんが寂しがらないようにって毎日猫に語っていたらその願いが届いたっていう解釈になっています。こんな風に過去や未来を自分で想像していくのも映像作品の楽しみ方の1つですよね。「泣ける動画」といっても自分にハマるかどうかはわかりません。ただその動画を観てさらに「想像」を加えていくとすれば、想像は自分の人生経験や価値観が反映されるものなので、初見で泣けない動画も色々な想像によって泣ける動画に変わってしまう。ということもあるくらいです。この「想像」を自分で止めてしまわないことが涙活をする上でかなり重要だと最近思っています。

 

ちなみに、何とこの主演のおばあちゃん、撮影現場のロケ中に出会った地元のおばあちゃんだそうで、本業役者の方ではないのです。そのあたり、このページに詳しく載っています。

 

>>ねこ勉について<<

 

最後のおばあちゃんが涙するシーンは本当に素晴らしいのですが、ある意味本当の涙、きっとおばあちゃんの実際の孤独や実体験からくる涙だったのでしょう。そう思うとますますこみ上げてくるものがあります。台本には涙を流すっていう指示は書いてなかったそうです......

 

今日は『ねこ勉』を紹介させていただきました。最後までご覧いただきありがとうございました!皆様から情報いただければその動画を観た上で、僕なりの解釈でブログを書いたりもしてみたいと思っていますので、リクエストも募集中です!涙ソムリエ講座もまだまだお申し込み受付中です!興味を持っていただけましたら是非、よろしくお願いいたします。

 

 

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