インターナショナルオーディオショウで感動し、寿司で感動した1日
7月26日から3日間、有楽町の東京国際フォーラムで『2024東京インターナショナルオーディオショウ』が開催されました。
今回も会社の先輩と行くことになりましたが、更に先輩の友人S氏を含め3人で26日の金曜日、無理矢理会社を休んで行って参りました。
10時開場なので9時50分に入り口ゲート前で待ち合わせをしたのですが・・・東京国際フォーラムに到着すると開場前なのにガラス棟地下のゲートには長~い列ができておりました。
お二人と合流し、いよいよインターナショナルオーディオショウに参戦です。
さぁ、今日はお二人を案内する役割ではありますが、兎にも角にも何よりも今日はどうしても聴かなきゃいけないモノがあるのです。
なのでまずはそのブースへ直行です。
そんなわけで、最初に向かったのは「ステラ&ゼファン」のブースです。
このブースでは南アフリカに拠点を置く某スピーカーメーカーの新フラグシップスピーカーが国内初お披露目になるのです。
そのメーカーとは、我が家のオーディオ部屋の主「GIYA G1」の「vivid audio」で、聴かなきゃいけない新フラグシップスピーカー『MOYA M1』なのであります。
スピーカー設計者のローレンス・ディッキーさんが、アブソーバー・チューブテクノロジーを拡張し、GIYAシリーズやKAYAシリーズとは全く異なったアプローチで作ったスピーカーとなれば、vivid audioユーザーとしては聴かないわけにはいかないのです。
ましてや、GIYAやKAYAシリーズで徹底的にこだわっていた「共鳴と反射からの完全なる解放」の概念からすると、今回のMOYA M1の天面はフラットの様でこれまでのエンクロージャ設計と大きく異なります。
これが果たしてどのように影響するのか、これまでの系譜とは異なる全く新しいvivid audioの音作りなっていくのか、3月に発表になった時からズッと気になっていました。
そんなわけで、他のブースには目もくれずステラ&ゼファンブースに一直線です。
ステラ&ゼファンブースに到着すると、お目当ての「vivid audio MOYA M1」が朗々と鳴っていました。
幸いにもまだお客さんが集まってくる前にブースには入れたため、先輩とS氏と共に最前列のど真ん中に陣取って、ただひたすらにMOYA M1から出てくる音楽に、音の一音一音に全神経を傾けます。
2週間前に到着したばかりというダークブルーのMOYA M1、まだエージング中(慣らし運転中)とのことですが、どこまでの恐ろしく自然で、特定の周波数の誇張なく、繊細で雄大な音楽を奏でておりました。
ウーファーを片チャンで8ユニットを持つ大型機であるにもかかわらず、交響曲では本当に繊細で生々しい楽器の1音1音まで聴こえ、そしてどこまでも雄大で広大なステージがスピーカーの後ろに広がっています。
低音に関しても全くボンボンと緩く五月蠅く鳴ることはなく、非常に鮮烈で音源ソースの持つステージの音をどこまでも自然に鳴らしていきます。
確かに、普段聴いているGIYA G1とは異なる表情をしていますが、それでもやはりこれはvivid audioの、ローレンス・ディッキーさんの作り出す世界観です。
こうやって聴いてしまうと、フルオーケストラやビッグバンドなどの演奏はGIYA G1よりも遥かに雄大でたっぷり過ぎる余裕を感じますが、うん、これは我々が自宅で鳴らすスピーカーではない・・・と、妙に清々しい気持ちになりました。(価格もペアで7590万円と夢しかない金額ですし)
それにしても、GIYAシリーズもその形状から「異形」として有名ですが、今回のMOYA M1もやはり「異形」です。
製品説明でディッキーさんも「我々のスピーカーの形状から、工業デザインの会社だと言われることがあるが、あくまで音響デザインの結果だ」と強調していましたが、この8個のウーファーをアブソーバー・チューブの理論から最適に共振、反射から解放するためのデザインとしてこのデザインになったそうです。
それにしても・・・やはり異形です。
ちなみに写真を撮りながらスピーカーの周囲をウロウロしていて面白かったのは、かなりのボリュームで音が鳴り、低音も相当しっかり出ている状況でも、MOYA M1の背面に立つと嘘のように音が減衰して普通に会話ができる程度の音量になってしまうことでした。
そういえば・・・自宅のGIYA G1の背面に立ったことがない(立てるだけのスペースがない)ので未検証でしたが、これがvivid audioの「共振と反射からの解放」なのか・・・と実感しました。
ちなみに、ディッキーさんにお声掛けして自宅でGIYA G1を使用していること、vivid audioの音が大好きであることを伝えて一緒に写真も撮ってもらいました。
さて、いつまでもここでMOYA M1ばかり聴いているわけにはいきません。
お二人をちゃんとアテンドしなければ・・・
と、向かった先は「A&M(AIR TIGHT)」のブースです。
A&Mのブースはいつもこの部屋と一体化したデザインというか、「AIR TIGHT」の看板も、常にここに据え付けられているようなカラーリングで感心するのですが、それ以上にやはりこのブースはAIR TIGHTのアンプでドライブされたスピーカーで、社長と営業担当の須田さんが自身の「かけたい」アナログ盤を次々に聴かせてくれるのが楽しくて仕方が無いわけです。
先輩も前回のインターナショナルオーディオショウや、秋葉原のアナログオーディオフェアでA&Mのデモンストレーションやかかる音楽、元気になるとしか言いようのない熱い音(と熱いトーク)が気に入ってしまい「A&Mのブースでズッと音楽を聴いていたい」と言うほど。
今回も社長が次々にかける曲が先輩にハマったようで、恍惚の表情で聴き入っていましたが、フと我に返った先輩、怪訝な表情で質問をしてきました。
「今鳴ってるスピーカーって、イタリアのヤツ(ソナスファベールのAmati)だよね?前にメーカーのブースで聴いたときと全然音が違うんだけど!?これはやっぱりAIR TIGHTのアンプの音なの??」と、S氏と一緒に目を白黒。
そうなんですよ、鳴らすアンプ次第で出てくる音も全然違うんですよ。
先輩もすっかりオーディオ脳になってきてますかね?
ほかにもほぼ全てのブースに立ち寄り聴いてきました。
MOYA M1意外にも、発表になって以来どんな音なのか聴いてみたかったのがMONITOR AUDIOの「Hyphn」。
輸入代理店のナスペックのブースもHyphnが鳴る時間帯は大変盛況でじっくり腰を据えて聴くことが出来ませんでした。
中~広域のユニットが仮想同軸配置されていて、低域のウーファはこの独特な形状の両サイドの柱に配置されているので、その辺りを含めて大きな同軸スピーカーのような形で聴く形になると思うのですが、聴く位置が悪くどうも音と定位のフォーカスが甘めに感じられてしまい集中して聴けませんでした。
残念!
先輩曰く、「なんだこのスターウォーズに出てきそうなスピーカーは!?」とのことで、「なるほど」と妙に納得してしまいました。
他にもトライオードのブースでは「最終的に行き着くのがトライオードのアンプになりそう」と、散々各ブースを巡るうちにバグってきていた金銭感覚が、トライオードのアンプの価格を観て現実に引き戻されたようです。(いや、他のブースでバグったおかげで「これなら買える」という感じになったのかな??)
そんな先輩は「EVOLUTION MUSASHI」に魅入っておりました。
ちなみに「あれ?トライオードってこんな感じのブースだっけ?・・・あれ?看板にこんなに女性が写ってるようなメーカーだったっけ?」と困惑しておりました(笑)。
そして、最後に行ったブースはソウルノートのブース。
何度かブースの前を通ったのですが、その度に満員状態で入室できず後回しになってしまっておりましたが、設計者の加藤さんの説明下手だけど熱い思いがしっかり伝わってくる製品説明と選曲が楽しくて、イベントに参加されているときには必ずブースに行くようにしているのですが、今回は私はそれだけではない目的があります。
それは、先日発表されたステレオパワーアンプ「A-3 Core」を聴くためなのであります。
実はパワーアンプの買い換えの検討を始めまして、色々と物色をしている中、ソウルノートのステレオプリメインアンプ「A-3」からプリ機能を取り払ったステレオパワーアンプが発表になった訳です。
公開されている内部写真を観ても美しいし、価格を見ても国内他社や海外の製品と比べても圧倒的にお得で一気にターゲットに入ってきました。
入室時点では席に空きがなかったのですが、イベントが終わってお客さんが出ていったので、先輩とS氏と3人で加藤さんの話と曲に聴き入ります。
音が鳴り出した瞬間、隣に座っていた先輩とS氏の目の色が変わりました。
明らかに透明度が高く、鮮度が高く、それでいてしっかり「熱い」生々しい音が当たり前のように空間を満たします。
「これもやっぱりアンプの力なのか・・・」移動のために曲間でブースを出た際に先輩がボソッとつぶやきました。
そして荷物になるからと余りカタログを貰っていなかったのに、ここに来てソウルノートのカタログを手提げに入れておりました。
さらにS氏はブースを出るなり「カタログを全種類下さい!」と、すっかりソウルノートの世界観に魅了されてしまったようです。
「やっぱりさ、オーディオは”人”だよな。その人がどれだけ情熱を持って作ってるかが見える製品って、やっぱりそれだけの魅力があるよ。」
先輩とS氏が目をキラキラさせながら熱く語っているのが印象的でした。
それにしても「A-3 Core」・・・・これは買わないとダメなヤツだ・・・
ジャズ&ラテン歌手のMAYAさんとドラマーの松尾明さんが音元出版の販売ブースでサイン会をしていたのでご挨拶をしてインターナショナルオーディオショウを後に致しました。
さて、インターナショナルオーディオショウを後にした我ら3人。
向かうのは本日2つめのメインイベント、「寿司」なのであります。
6月頭に秋葉原で開催された『アナログオーディオフェア』に先輩と2人で行き、イベント終わりに「東京湯島生姜豚 香登利」で食事をし、上野まで歩いている最中に「インターナショナルオーディオショウの後にどこで飯を食うか」という話をしていたのですが、「ミスター焼肉」の前を通ったときには焼肉!、「久保田」の前を通ったときには鰻!、「ぽん多」の前を通ったときにはとんかつ!と、コロコロ変わっていたのですが、そう言えば・・・と見せた今年の仕事初めの時に行った寿司屋の写真を見せたら「ここだっ!!」となって、予約をしていた訳であります。
そんなわけで、行って参りました『銀座鮨処 まぐろ相馬水産』です。
まさか年内にもう一度来られるとは・・・
店内に入ると18時スタートの回では我々が最初の入店でした。
半年ぶりに来た店内を見渡すと・・・おぉ・・・貴さんのサインの周りにはお店のYoutubeチャンネル「パンチ親分チャンネル」のQRコードが・・・(笑)
さてさて、今回も上手い鮪がバンバン出てきます。
詳細の食レポは今回は割愛しますので、1月のブログをご覧下さい。
ちなみに先輩とS氏は寿司が出てくる度にほぼ無言で全神経を寿司に集中して食事をしておりました。
あの大酒飲みの先輩が「今日は寿司に集中したい!」と、乾杯のビールと緑茶ハイしか飲まずに寿司に集中している様子がなんとも面白かったのですが、そこまで集中をして紹介したお店の寿司を堪能してくれているのはありがたかったですね。
パンチの山口大将!今回も素晴らしいお寿司、どうもありがとうございました!
お店を出た後、「食い足りなかったらどこかで飲みでも行こうかと思ってたけど、この幸福感を台無しにしたくない・・・」と、そのまま帰路に着いた3人でありました。
先輩の言葉にはなりますが、お休みをとって朝から夜までズッと最高の1日でありました。
さぁ・・・A-3 Coreか・・・頑張ろう・・・