完全ワイヤレスイヤホン NOBLE『FALCON』を買ってみた | UNTITLED

完全ワイヤレスイヤホン NOBLE『FALCON』を買ってみた

今、会社の通勤等、電車移動の際にiPod touchBOSEの『SoundSport』の組み合わせで音楽を楽しんでいるのですが、はやり満員電車やJR大宮駅の改札付近では必ずと言っていいほどに音切れするのがネックとなっております。

 

まぁ、Air Podsの新しいのを買えば改善するのかもしれませんが、今持っている初代Air Pods、襟高のコートを着ると襟に引っかかって落ちやすいからSoundSportに変えたわけだし・・・・う~ん・・・・

 

それ以外の音質面や装着感に関しては不満はないのですが、最近では音楽端末側から左右のイヤホンに別々にデータ伝送ができるTrueWireless Stereo Plus規格に対応しているワイヤレスイヤホンも出てきているので、そいつと対応音楽プレイヤーを導入すれば不満は解消されるのでは・・・?

 

でも、iPod touch、気に入ってるんだよなぁ・・・

 

ということで、iPod touch自体はTrueWireless Stereo Plus規格に対応していませんが、試しに10月25日に発売になったばかりのNoble Audio社初の完全ワイヤレスイヤホンFALCONを買ってみました。

 

 

開けてみるとイヤホン本体、充電ケース、充電用USBケーブル、ポーチ、交換イヤーピースが入っています。

 

 

高級感はあまり有りませんが、まぁ19800円なのでこんなもんか。

 

取り出してみると、充電ケース含めなかなか小さくて良い感じです。(BOSEのSoundSportが本体、ケース含めてなかなか大きいので特に感じます。)

 

ちなみに、大きさ比較の為にNoble Audioの『FALCON』とBOSEの『SoundSport』とAppleの『AirPods』を並べてみました。

 

説明するまでもなく、左からBOSE『SoundSport』、Noble Audio『FALCON』、Apple『AirPods』です。

 

こうやって見るとAirPodsってやっぱりケースのサイズ感が絶妙なんだなぁ。

 

とは言え、Noble Audioの『FALCON』も充電ケースは男性で有れば拳の中に収まってしまうほどの大きさなので、バックの中に入っていても気にならない大きさでしょう。

 

 

 

・・・さて、問題は音質です。

音切れの件に関してはiPod側が対応していないので測りようが有りませんが、音質は聴けば一聴瞭然。

 

通常は雑音にまみれた外出先で聴くわけですが、今回はオーディオ部屋にてじっくり聴いてみました。

 

 

 

まずはおさらいとして、久しぶりにAirPodsから・・・。

 

チェリスト長谷川陽子さんの『ノルウェーの森』は、このアルバムの特徴である透明感、音の奥行きに関しては今ひとつ・・・と言うか、あまり感じられませんが、チェロの放つ低音のふくよかさ、ボリュームはたっぷり感じます。「音の厚み」と言う点ではかなり良いけれど、繊細な音、消えていく音の美しさの表現は苦手のようです。

こちらもチェリストのGregor Piatigorskyとボストン交響楽団の『ドヴォルザーク:チェロ協奏曲』も音の厚み、力感に関しては申し分なし。ただ、オーケストラの各楽器の音の分解や広がりなどに関しては今ひとつ。

ジャズピアニスト辛島文雄さんの遺作『My Favorite Things』、左右に分かれたダブルベースの重低音がたまらないのですが、この音の厚み、音圧は素晴らしい。トランペットやサックスに関しても音が厚くて熱い。このアルバムに関しては3機種の中でベスト。

こちらもジャズピアニストのHelge Lien Trioの有名盤『Spiral Circle』のTAKE FIVE冒頭のドラムソロ。こちらはバスドラやシンバルの音の力感はバッチリなのですが、基本的に音が団子になってしまっているのが残念。

 

 

お次はSoundSport。

 

『ノルウェーの森』のパーカッションやピアノの高音、チェロの中~低音のバランスが良い。パーカッションの音が消えていく空間の広がりもなかなか。低音の厚み、沈み込みもなかなかで、AirPodsのようなもっさりした感じもなく良い感じ。

『ドヴォルザーク:チェロ協奏曲』はオーケストラの雄大な演奏を重厚感がありつつ音が団子にならずに表現出来ています。チェロのザラッとした弦の擦れる音と胴鳴りが生々しく実在感があります。

『My Favorite Things』では冒頭の左右2対のベースの音がズーンと沈み込み、それで居ながらシンバルの高音をぼやかさずに表現出来ているのでAirPodsとの実力の差を感じます。

『Spiral Circle』のTAKE FIVE冒頭のドラムソロもバスドラムの重低音がしっかりと再生されており、シンバルやスネアの弾ける音の粒立ちもなかなかの物があります。音が団子にならないのはSoundSportの魅力でしょうか。

 

 

そして真打ち、FALCON。

 

『ノルウェーの森』冒頭のパーカッションの高域の音色、音の解像度は圧倒的。音が消えていく瞬間までの繊細な空気の振動が見えるようです。ただ、いわゆる「重低音」の再生は量感にやや不満が。低音は出ていないわけではないのですが、前の2機種と比べると「重低音」の音の厚みと沈み込みは圧倒的に差があります。ただ、低音自体は解像度の高い低音がしっかりと鳴っているので、アルバムを聴きながら耳に馴染んでくれば気にならなくなってきます。

『ドヴォルザーク:チェロ協奏曲』も音の解像度が高いので、前の2機種では感じられなかったホールの空気感もフッと感じられてビックリです。コチラは重低音の不足はあまり気にならず、オーケストラの楽器の解像度と透明感にはこれまでの2機種では得られない感動がありました。

重低音に関しては高音を濁らせないために抑えるようにチューニングされているようですが、それが功を奏しているのか音の濁りや団子になる感じは全くないことに驚きです。

『My Favorite Things』はもう少し乱暴なくらいの低音の厚みが欲しいなぁ。あの厚みが演奏全体の熱さを生み出しているので、チョット冷静すぎる印象。なるほど、FALCONはモニター調の音作りをしているのか。

『Spiral Circle』の冒頭のドラムソロはとにかく解像度が高く音が消える瞬間まで見事に描写している様に感じます。ただコチラもバスドラのキレッキレの超低音の量感が他の2機種と比べて弱いので、コチラもやや冷静な演奏のように感じてしまいます。が、それを凌駕する解像度の高さなので聴いていて楽しい。

 

 

そんなこんなで、やや誇張は入っているかもしれないがオーディオ的に個性のある音作りをしているSoundSportと、モニター調の高解像度・冷静で繊細な音作りをしているのがFALCONという感じでしょうか。

 

 

で、数日間、会社の通勤時にFALCONを使っていて気がついた点が以下の通り。

 

・SoundSportに比べて圧倒的に音切れが少ない。(SoundSportでは必ず音切れしていたエリアでも音切れ皆無)

・耳を完全に塞ぐ遮音性の高さにより、音楽を聴いていると周辺音がほぼ聞こえない。

・密閉性が高いので歩いていると歩行時の衝撃音(振動)がゴワゴワと聞こえてしまう。

 

まず驚いたのが音切れがほとんど無いこと。

TrueWireless Stereo Plusは機能していないのですが、Bluetooth5.0の恩恵なのでしょうか、満員電車でポケットに入ったiPodが他人の荷物や体に覆われてしまっても音切れはほとんどありません。

SoundSportではこうはいきません。

 

次に感じた周辺音が聞こえなくなる問題。実はこれ、個人的には問題なのです。

AirPodsやSoundSportは密閉性が低いので、周囲の車の音や電車のアナウンス、人の声などが音楽を聴いていても(ボリュームを上げすぎたら無理ですが)聞こえるのに対し、FALCONはそれらの環境音がほぼ聞こえません。

これ、歩きながらや電車の中だと安全性や乗り過ごしなどに直結するので、周辺音はある程度聞こえて貰わないと困るのです。

歩いているときに使うのならノイズキャンセルなんてもってのほかです。

 

また、歩いているときに足の振動が耳に伝わってしまうのも厄介です。AirPodsやSoundSportではこのノイズは感じませんでした。

周辺音は聞こえないのに歩行時の振動がノイズに成ってしまうと言うのもどうか・・・

 

 

 

とは言え、この音切れの無さ、モニター調の解像度の高い音質は魅力的です。

もうしばらく使ってみることにしましょう。

(AirPods Proも買ってみようかなぁ・・・・)