iPod Touch用イヤホン その後 | UNTITLED

iPod Touch用イヤホン その後

先月のブログでiPod Touch付属品のイヤホンが壊れ、Philipsの高品位イヤホン『Fidelio S2』を購入した顛末を書きました。



『Fidelio S2』は素晴らしい音質でありながら、歩いて移動しながら音楽を聴くには非常に厳しい製品であるという結論にいたり、かと言って、ボロボロになった付属品のイヤホンに戻る事も出来ず、どうしよっかなぁ・・・・と思っていたところ、以前購入したまま眠っていたイヤホンがある事を思い出しました。





デザイン重視の時計メーカーNIXONのイヤホン『Wire 10MM』ライム/ブラックです。
UNTITLED-NIXON NH002985 の1
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箱を空けてみると・・・




UNTITLED-NIXON NH002985 の2


かなりゴムゴムしているライムグリーンのケーブルが気になります。

このケーブルの反発力たるやかなり強力で、丸めて鞄の中に突っ込んでも、取り出す時にはほとんど絡まらずに反発力で勝手にほどけていきます。

それでいて、Fidelio S2の様な重量が無いので、歩いていてもケーブルから伝わってくる雑音はそれほど気になりません。

UNTITLED-NIXON NH002985 の3


で、実際に2週間ほど使ってみました・・・・



が、一聴して感じたのは「音圧が低い!」ということ。

スペック上は1kHzの感度が110dBと、なかなかの高感度イヤホンなのですが・・・明らかに付属品のイヤホンよりもボリュームを上げないと、付属品のイヤホンと同程度の音量を感じられないのです。

ただでさえ容量の小さなバッテリーで駆動しているiPad Touchなので、常にボリュームを上げて聴かなければいけないというのはバッテリーの消耗が気になって仕方有りません。

また、音質に関しては、Fidelio S2の様な透明度、微細な表現は無く、かと言って詰まったような音というわけでもなく、良い点も悪い点も挙げにくい、個性の無い音質でちょっとガッカリです。
無個性にするんだったら、録音現場の空気まで感じられるような、徹底的に音質のクオリティを磨き上げた製品にしなければ、せっかくの音楽も「可もなく不可もない」どっちつかずの退屈な音になってしまいます。

カラーリングなどはそこそこ良いので、その見た目のようなインパクトを音質にも込めて貰いたかった商品でした。





で、そんな感じでWire 10MMにガッカリしていたら、上海問屋で木製のハウジングを使ったイヤホン「DN-30760」を売りに出すと言う事で早速購入し、使ってみました。




上海問屋というと、こんなバッタモンを掴まされたりすることもあるのですが、こういう成功例もあるので、まさに「一か八か」の買い物になることが多いのですが、今回はまぁ、999円のイヤホンなので、ダメでも良いか・・・・という気持ちで買ってみました。



UNTITLED-AWEI ES-Q5 の1

どうやら香港のAWEIというメーカーの「ES-Q5」という製品のようです。




開けてみると、恐らくケーブルは導線にポリ塩化ビニル系でその上にこたつの電源ケーブルのように布が貼り付けてある様なのですが、やけに固いのが気になります。
しかしまぁ、Wire 10MMのゴムゴム感と重量に比べればカワイイもんです。


で、このイヤホン最大の特徴でもある木製のハウジングですが、これがまた仕上げが安っぽい・・・。仕方ないのかもしれませんが。
これが日本のメーカーだったら価格は5~10倍くらいになるかも知れませんが、木材の種類や表面の磨き、漆を塗ったり・・・と、木の特徴と美しさを最大限に活かしたイヤホンを作るんでしょうが・・・こちらはまるで薄い木目のシートをプラスチックに貼り付けたかのような処理の甘さと、銅色に輝く金属(?)部分が安っぽくてなんともはや・・・

UNTITLED-AWEI ES-Q5 の2


しかしまぁ、何はともあれ音が良けりゃ良いのです。


というわけで、早速iPad Touchに繋げて音を聴いてみることに。




おぉぉ・・・・まず一聴した瞬間の印象は・・・・・音圧が高い!要するに、ボリュームがデカイ!

スペック上は感度が106dBと、Wire 10MMよりも低い値になっていますが、全然感度が高く、能率がイイ!
Wire 10MMではボリュームを50~70%程度に上げなければ雑踏にいとも簡単にかき消されてしまう状態でしたが、DN-30760では15~30%もボリュームを上げれば十分にうるさいレベルです。
録音レベルの低いクラシックでも、40%上げるとドキドキしてしまうほど。

さらに、Wire 10MMの様に、ケーブルが歩く度に盛大に跳ねて体にペシペシと当たってその雑音が耳にダイレクトに入ってきてしまっていたのに対し、DN-30760のケーブルは軽い分跳ねも少ないし重量が軽いので、体に当たってもほとんど耳に雑音は伝わってきません。
ただ、ケーブルの表面が布なので、布の擦れる雑音が・・・


音質はというと、商品の謳い文句は「ハウジング部分に木製素材を使用することによって、木の素材の持つ振動吸収効果でクリアな音質を生み出すことができます。」という事らしいのですが、クリアさはほとんど有りません。
しかし、低音部分の重厚感、音圧はかなりのもので、安室奈美恵のニューアルバム「FEEL」なんかリズムの重低音・広がりがしっかりと聴こえるので、今週は出社時と帰宅時、ヘビロテです。
音の微細な分解能もあまり高くないようで、分解能が高くないが故に高域の伸びも粗くなってしまっているのかな・・・と思ったりします。
寺島レコードのジャズを聴いていると、ベースやバスドラの迫力、密度は非常に素晴らしく、熱気と湿度を感じるのですが、シンバルの抜けるような響き、シンバルが細かく振動しているのが目に見えるような分解能は2,3歩後退している印象を受けます。



UNTITLED-AWEI ES-Q5 の3




・・・・と、まぁ難もあるDN-30760ではありますが、通勤時に音楽を楽しむ分にはなかなか使えるイヤホンという結論にいたりました。

自宅などの静かな場所でイヤホンを使って音楽を聴きたい・・・という方には絶対的に「Fidelio S2」をオススメしますが、通勤、通学中に音楽を楽しみたいという方にはDN-30760はなかなかお進めできる商品かも知れません。(安いし)

あとは、もう少し木材ハウジングの芸術性というか、本当の意味での高級感が加われば文句なしです。





以上、最近買い換えたiPod Touch用イヤホンの顛末でございました。