遅れ馳せながら・・・ 寺村容子 『Teremura Yoko Moods』
今発売中のジャズ批評11月号(164号)
で健ちゃんとインタビューに行った、ジャズピアニスト寺村容子さんの初リーダーアルバム『Teremura Yoko Moods』をご紹介。
本当はもっと前に紹介したかったのですが、色々ありまして・・・
というわけで、遅れ馳せながらご紹介です。


Teremura Yoko Moods / 寺村容子
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寺村さんはこのアルバムの話が来てから随分と悩んだそうです。
自分のリーダーアルバムを作るという事はどういうことなのか。
自分らしい演奏ってどういうことなのか。
松尾明トリオのピアニストとして何作もCDを出しているし、Jazz歌手のMAYAさんのバックでもCDとライブでズッとレギュラーで演奏しているし、お客さんの中ではその演奏が「寺村容子の演奏」として定着をしているんじゃないか。
長い間悩み、ようやく決心をしてこの話を受ける事になったそうですが、その後も悩みは続きます。
一番の悩みは、レコーディングメンバーです。
気心の知れたメンバーとなると、やはりドラムの松尾明さんとベースの嶌田憲二さんでしょう。
もしくは、寺村さんが参加しているユニット「十五夜」のドラム大澤基弘さんとベースの磯部ヒデキさんでしょう。
しかし、それでは「松尾明トリオ」とどう違うのか。「十五夜」と何が違うのか。
そこで、思い切った人選をする事を決意。
ドラムはプロデューサーの寺島さんが推薦した諸田富男さん。
そしてベースはライブでの演奏を聴き一緒に演奏をしてみたいと思ったという新岡誠さん。
この無謀にも思える賭は・・・・CDを聴いて頂ければ分かります。
寺村さんの「原曲の持つ旋律の美しさを最大限に表現する」という情熱を、大先輩の諸田さんがしっかりとサポートし、新岡さんのベースがそっと寄り添っています。
初共演の二人のおかげで、寺村さんが美しく歌い上げようとするメロディーの熱はグッと上がっています。
6曲目の「Stardust」では、出だしからサビを演奏するアレンジを提案する寺島さんに対して、「バースから始めないとStardustの持つ曲の美しさが出ない!」と強固に主張し、寺島さんもその真剣さに折れたようです。

音に関しても、プロデューサーの寺島さんに対して自分の意見を出来る限りぶつけたそうです。
このアルバムのレーベル「寺島レコード」というと、ヴィーナスレコードの「ハイパーマグナムサウンド」の様に、『レトロ・フィデリティ・サウンド』という音質を謳っており、今作でもその路線は変わってはいませんが、松尾明トリオのCDよりも、より「ピアノトリオ」らしいピアノのタッチが明瞭に聞こえるバランスになっています。
この「自分らしい演奏」と「音のバランス」等に関して、寺村さんはレコーディングをする決意をした際に、寺島さんと対決しなければならないと覚悟をしていたのかも知れません。
そんな「覚悟」に寺島さんも、ライナーで「どちらかというとむしろ寡黙の部類に属する人と思っていましたが話し出すと冗舌体といってもいいくらいでレコーディングに対する思いのたけをぶちまける様子を見ているとこれだけ気持ちにちからが入っていればもう間違いなしと安堵の胸をなでおろしたと。」と、感心をしていたようです。
曲に関してはジャズ批評11月号(164号)をご覧いただくとして、寺村さん渾身のこのアルバム、是非聴いてみて下さい。
本当はもっと前に紹介したかったのですが、色々ありまして・・・
というわけで、遅れ馳せながらご紹介です。

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寺村さんはこのアルバムの話が来てから随分と悩んだそうです。
自分のリーダーアルバムを作るという事はどういうことなのか。
自分らしい演奏ってどういうことなのか。
松尾明トリオのピアニストとして何作もCDを出しているし、Jazz歌手のMAYAさんのバックでもCDとライブでズッとレギュラーで演奏しているし、お客さんの中ではその演奏が「寺村容子の演奏」として定着をしているんじゃないか。
長い間悩み、ようやく決心をしてこの話を受ける事になったそうですが、その後も悩みは続きます。
一番の悩みは、レコーディングメンバーです。
気心の知れたメンバーとなると、やはりドラムの松尾明さんとベースの嶌田憲二さんでしょう。
もしくは、寺村さんが参加しているユニット「十五夜」のドラム大澤基弘さんとベースの磯部ヒデキさんでしょう。
しかし、それでは「松尾明トリオ」とどう違うのか。「十五夜」と何が違うのか。
そこで、思い切った人選をする事を決意。
ドラムはプロデューサーの寺島さんが推薦した諸田富男さん。
そしてベースはライブでの演奏を聴き一緒に演奏をしてみたいと思ったという新岡誠さん。
この無謀にも思える賭は・・・・CDを聴いて頂ければ分かります。
寺村さんの「原曲の持つ旋律の美しさを最大限に表現する」という情熱を、大先輩の諸田さんがしっかりとサポートし、新岡さんのベースがそっと寄り添っています。
初共演の二人のおかげで、寺村さんが美しく歌い上げようとするメロディーの熱はグッと上がっています。
6曲目の「Stardust」では、出だしからサビを演奏するアレンジを提案する寺島さんに対して、「バースから始めないとStardustの持つ曲の美しさが出ない!」と強固に主張し、寺島さんもその真剣さに折れたようです。

音に関しても、プロデューサーの寺島さんに対して自分の意見を出来る限りぶつけたそうです。
このアルバムのレーベル「寺島レコード」というと、ヴィーナスレコードの「ハイパーマグナムサウンド」の様に、『レトロ・フィデリティ・サウンド』という音質を謳っており、今作でもその路線は変わってはいませんが、松尾明トリオのCDよりも、より「ピアノトリオ」らしいピアノのタッチが明瞭に聞こえるバランスになっています。
この「自分らしい演奏」と「音のバランス」等に関して、寺村さんはレコーディングをする決意をした際に、寺島さんと対決しなければならないと覚悟をしていたのかも知れません。
そんな「覚悟」に寺島さんも、ライナーで「どちらかというとむしろ寡黙の部類に属する人と思っていましたが話し出すと冗舌体といってもいいくらいでレコーディングに対する思いのたけをぶちまける様子を見ているとこれだけ気持ちにちからが入っていればもう間違いなしと安堵の胸をなでおろしたと。」と、感心をしていたようです。
曲に関してはジャズ批評11月号(164号)をご覧いただくとして、寺村さん渾身のこのアルバム、是非聴いてみて下さい。