マイ・ベスト・ジャズ・アルバム 2010 の続き その1
発売中のジャズ批評160号で「マイ・ベスト・ジャズ・アルバム 2010」の特集が掲載されています。
恥ずかしながら今回も駄文を掲載して頂きました。

ジャズ批評 160号 (2011年 03月号)
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で、そこで2010年に発売されたジャズのCDの中から、ベストと思う5枚を紹介させて頂きました。
しかし、2010年はそんなもんじゃない。
もっと沢山紹介したいCDが沢山ある年でした。
というとで、ジャズ批評本紙でご紹介しきれなかった優秀盤をココでご紹介したい!ということで、紹介させて頂きます。


Destinations / Tamir Hendelman
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まずはこれ。
ジャズ批評の方でも紹介したかったけれど、紹介できる枚数の都合で残念ながら外した1枚。
ジャケットからは想像できない力強いタッチのスウィンギーなナンバー『Warp Your Troubles in Dreams』に始まり、3曲目の『Soft Winds』、8曲目の『Anthropology』など、ジャズらしい演奏で終始楽しめます。
他にも、4曲目の『Le Tombeau de Couperin』(M.Ravel)、11曲目の『BQE』(小曽根真)など、嬉しい選曲も多数。特に日本人としては、小曽根真の曲を取り上げているのが何とも嬉しいじゃありませんか。
また、Tamir Hendelmanのオリジナル曲『Israeli Waltz』がイイんだ。もの凄くセンチメンタルで哀愁漂うメロディ。どこか懐かしいんだよなぁ・・・。最高です。
それにしても、Tamir Hendelmanのピアノ演奏、なにかアメリカ的でもあるんだけれど、日本的な要素も感じます。
ちなみに、演奏とは全く関係ないけれど、ライナーで使っているTamir Hendelmanの写真、解像度粗すぎ。
なんでココだけ??


What’s New / Lars Jansson
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あのラーシュ・ヤンソンがとうとうジャズ・スタンダード集を発売!!
ラーシュファンはどれだけコレを期待したか・・・。
待ちに待った1枚なのに、なぜジャズ批評の方で紹介しなかったのか・・・
理由は、「どうせ誰かが紹介するでしょ?もの凄い情熱で。」ということで、本作の紙面での紹介は他の人に任せた!という感じ。
それにしても、さすがラーシュ・ヤンソン。
ジャズ・スタンダードでもラーシュ節をしっかりと効かせながら、しっとりと聴かせてくれます。
『Lover Man』『The Masquerade Is Over』『Very Early』『Come Rain Or Come Shine』などなどどれもコレも原曲を尊重しながらもラーシュ・ヤンソンです。
そして10曲中3曲、ラーシュのオリジナル曲が入っていますが、ここで改めてラーシュ・ヤンソンの世界に引きずり込まれていきます(笑)。
このバランスも素晴らしい!
ライナーにはラーシュ・ヤンソンの言葉が書かれているのだけれど、「古いスタンダードを演奏して何が新しい?」とリスナーに問いかけつつも、「(自分が古いスタンダードを)自然に感じつつ演奏してみたいと思う境地に到達できたのかもしれない。」「私は長年これら(古いスタンダード)に対して大きすぎる経緯を持ち続けていたのかもしれない。」と言っています。
如何に真摯な気持ちで今回のレコーディングに臨んだのかが読み取れます。
そして本作は、その意欲が十分に感じられる素晴らしい作品です。
ホント、お勧め。


Tributo Ai Sestetti Anni 60 / Luca Mannutza Sound Six
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カッコイイ。
格好良過ぎる。
HIGH FIVEのピアニスト LUCA MANNUTZAが自身のグループで、自身のルーツになった60年代のサウンドをこれでもか!という感じで演奏しています。
HIGH FIVEでは軽快で爽快な演奏で楽しませてくれますが、この作品を聴くとなるほど、もっと重量級のハードバップで突進してきます。
この熱が凄い!
1曲目の『Ezz-thetic』を、ちょっとボリューム大きめで鳴らすと・・・ズシーンとピアノとホーンが体に突き刺さってきます。これがHIGH FIVEよりも渋くて格好イイ!
で、格好良いだけではなくて技術もアレンジも一流なので、何度聴いても飽きません。
ホント、この作品は最後の最後までジャズ批評誌の方で紹介しようと思っていました。
最後の選曲の時に、あるCDと何度も聴き比べをして、惜しくももう片方の方の記事を書いたのですが・・・今でも「こっちの方が良かったか?」と思うほど。
是非!


La Vita E Bella / BOB MINTZER & DADO MORONI & RICCARDO FIORAVANTI & JOE LA BARBERA
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BOB MINTZERやDADO MORONI等そうそうたる顔ぶれのライブ盤。
購入するときにはそんなところは目に入らず、このネガポジ反転の女性の写真に惹かれて購入しました。
で、とりあえず聴いてみたら・・・素晴らしい演奏にギョッとしてメンバーを確認してみたら・・・・あぁ・・・なるほど。
1曲目の『THE GATHERING』はBOB MINTZERのオリジナル曲。出だしに凄味こそ無いものの、アドリブで展開するDADO MORONIのピアノとJOE LA BARBERAのドラムが爽快。
2曲目の『LA VITA E BELLA (LIFE IS BEAUTIFUL)』のBOB MINTZERのテナーがまた・・・泣ける。キレイなメロディーを、感情むき出しで演奏するのではなくて、高まる感情を押し殺すようにして吹いているので、聴く方が曲にドップリと心酔できます。
当然っちゃ当然なのかもしれないけれど、ジャケット写真からは想像できないドッシリと腰の据わった、重量級の優秀盤でした。


Fron Och Med Herr Jonas Kullhammar / Jonas Kullhammar
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見て下さいよ、このジャケット。
絶対買わないでしょ、女子。(笑)
ヒゲ面の胸毛ボーボー男(Jonas Kullhammar)が胸元を開けてガウンを羽織ってる・・・
これが大きなポスターになって駅に張り出されたりしたら、蘇民祭宜しく、「女性客が不快感を覚え、セクシャルハラスメントに該当するおそれがある」とか言われて撤去されそうです。
しかもこのジャケット、表には文字一つ書いてない。
2010年下手物ジャケットの筆頭格ではないでしょうか。
でもこのCD、骨がある。
1曲目の『Sweet Home Snake Sity』がかかった瞬間から、「あ、このCD当たりかも」と思うこと間違いなし。
バックの演奏に対してJonas Kullhammarのテナーの音色(録音の問題?)が若干物足りなかったりはしますが、それでもこの演奏は凄い。
2曲目の『Blau』はフリーの色が強い演奏ですが、嫌な感じは全くなく、ワクワクと聴けてしまいます。
3曲目の『October Is A Long Time Too』は1曲目、2曲目とは打って変わってバラード。これがまたじっくりと楽しめてイイ。Jonas Kullhammarのテナーの音色と一番マッチしている曲調かも。
ジャケットだけを見たら「ゲテモノ」ですが、内容はいやはや、素晴らしい1枚です。


Live At Star Eyes / Far East Jazz Ensemble
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これも2010年度の国内盤で超優秀作品!
このCDのレーベル「D-musica」は、ジャズベーシストの安ヵ川 大樹さんが発足したジャズ専門レーベル。どの作品も素晴らしい。
中でもこの「Live at Star Eyes」は絶品です。
一般的なカルテットやクインテットよりもダイナミックな演奏を可能にして、ビッグバンドよりも小回りの効く9人編成のこのバンド。
メンバーも素晴らしく、ベースでリーダーの安ヵ川 大樹さん、トランペットの佐々木史郎さん、同じくトランペットの松島啓之さん、トロンボーンの中路英明さん、アルトサックスの近藤和彦さん、テナーサックスの小池修さん、テナーサックスの浜崎航さん、ピアノの堀秀彰さん、そしてドラムの大坂昌彦さん。
1曲目の『Somebody I Know』から爽快で白熱した演奏。
ライブならではの熱気がスピーカーからビシビシと伝わってきます。
ノリノリのスウィンギーな曲から今風のバラード、やや前衛的な演奏まで、とにかく飽きさせずに一気に聴けてしまいます。
前述のLuca Mannutza Sound Sixの作品と比べると、非常に「日本人的」というと語弊があるかも知れないけれど、怪しく格好良いLuca Mannutza Sound Sixの作品と比べ、知的で格好良いのが本作。
そして、安ヵ川さんのベースや堀さんのピアノが耽美に歌い上げるところは、まさに日本人の美的感性。
とにかく手に取って、聴いて欲しい1枚です。
・・・・ということで、まだまだお勧めしたいCDは有りますが、長くなりすぎるので今回はココまで。
また続きますがお付き合い下さい。
恥ずかしながら今回も駄文を掲載して頂きました。

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しかし、2010年はそんなもんじゃない。
もっと沢山紹介したいCDが沢山ある年でした。
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ジャズ批評の方でも紹介したかったけれど、紹介できる枚数の都合で残念ながら外した1枚。
ジャケットからは想像できない力強いタッチのスウィンギーなナンバー『Warp Your Troubles in Dreams』に始まり、3曲目の『Soft Winds』、8曲目の『Anthropology』など、ジャズらしい演奏で終始楽しめます。
他にも、4曲目の『Le Tombeau de Couperin』(M.Ravel)、11曲目の『BQE』(小曽根真)など、嬉しい選曲も多数。特に日本人としては、小曽根真の曲を取り上げているのが何とも嬉しいじゃありませんか。
また、Tamir Hendelmanのオリジナル曲『Israeli Waltz』がイイんだ。もの凄くセンチメンタルで哀愁漂うメロディ。どこか懐かしいんだよなぁ・・・。最高です。
それにしても、Tamir Hendelmanのピアノ演奏、なにかアメリカ的でもあるんだけれど、日本的な要素も感じます。
ちなみに、演奏とは全く関係ないけれど、ライナーで使っているTamir Hendelmanの写真、解像度粗すぎ。
なんでココだけ??

What’s New / Lars Jansson
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あのラーシュ・ヤンソンがとうとうジャズ・スタンダード集を発売!!
ラーシュファンはどれだけコレを期待したか・・・。
待ちに待った1枚なのに、なぜジャズ批評の方で紹介しなかったのか・・・
理由は、「どうせ誰かが紹介するでしょ?もの凄い情熱で。」ということで、本作の紙面での紹介は他の人に任せた!という感じ。
それにしても、さすがラーシュ・ヤンソン。
ジャズ・スタンダードでもラーシュ節をしっかりと効かせながら、しっとりと聴かせてくれます。
『Lover Man』『The Masquerade Is Over』『Very Early』『Come Rain Or Come Shine』などなどどれもコレも原曲を尊重しながらもラーシュ・ヤンソンです。
そして10曲中3曲、ラーシュのオリジナル曲が入っていますが、ここで改めてラーシュ・ヤンソンの世界に引きずり込まれていきます(笑)。
このバランスも素晴らしい!
ライナーにはラーシュ・ヤンソンの言葉が書かれているのだけれど、「古いスタンダードを演奏して何が新しい?」とリスナーに問いかけつつも、「(自分が古いスタンダードを)自然に感じつつ演奏してみたいと思う境地に到達できたのかもしれない。」「私は長年これら(古いスタンダード)に対して大きすぎる経緯を持ち続けていたのかもしれない。」と言っています。
如何に真摯な気持ちで今回のレコーディングに臨んだのかが読み取れます。
そして本作は、その意欲が十分に感じられる素晴らしい作品です。
ホント、お勧め。

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格好良過ぎる。
HIGH FIVEのピアニスト LUCA MANNUTZAが自身のグループで、自身のルーツになった60年代のサウンドをこれでもか!という感じで演奏しています。
HIGH FIVEでは軽快で爽快な演奏で楽しませてくれますが、この作品を聴くとなるほど、もっと重量級のハードバップで突進してきます。
この熱が凄い!
1曲目の『Ezz-thetic』を、ちょっとボリューム大きめで鳴らすと・・・ズシーンとピアノとホーンが体に突き刺さってきます。これがHIGH FIVEよりも渋くて格好イイ!
で、格好良いだけではなくて技術もアレンジも一流なので、何度聴いても飽きません。
ホント、この作品は最後の最後までジャズ批評誌の方で紹介しようと思っていました。
最後の選曲の時に、あるCDと何度も聴き比べをして、惜しくももう片方の方の記事を書いたのですが・・・今でも「こっちの方が良かったか?」と思うほど。
是非!

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BOB MINTZERやDADO MORONI等そうそうたる顔ぶれのライブ盤。
購入するときにはそんなところは目に入らず、このネガポジ反転の女性の写真に惹かれて購入しました。
で、とりあえず聴いてみたら・・・素晴らしい演奏にギョッとしてメンバーを確認してみたら・・・・あぁ・・・なるほど。
1曲目の『THE GATHERING』はBOB MINTZERのオリジナル曲。出だしに凄味こそ無いものの、アドリブで展開するDADO MORONIのピアノとJOE LA BARBERAのドラムが爽快。
2曲目の『LA VITA E BELLA (LIFE IS BEAUTIFUL)』のBOB MINTZERのテナーがまた・・・泣ける。キレイなメロディーを、感情むき出しで演奏するのではなくて、高まる感情を押し殺すようにして吹いているので、聴く方が曲にドップリと心酔できます。
当然っちゃ当然なのかもしれないけれど、ジャケット写真からは想像できないドッシリと腰の据わった、重量級の優秀盤でした。

Fron Och Med Herr Jonas Kullhammar / Jonas Kullhammar
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見て下さいよ、このジャケット。
絶対買わないでしょ、女子。(笑)
ヒゲ面の胸毛ボーボー男(Jonas Kullhammar)が胸元を開けてガウンを羽織ってる・・・
これが大きなポスターになって駅に張り出されたりしたら、蘇民祭宜しく、「女性客が不快感を覚え、セクシャルハラスメントに該当するおそれがある」とか言われて撤去されそうです。
しかもこのジャケット、表には文字一つ書いてない。
2010年下手物ジャケットの筆頭格ではないでしょうか。
でもこのCD、骨がある。
1曲目の『Sweet Home Snake Sity』がかかった瞬間から、「あ、このCD当たりかも」と思うこと間違いなし。
バックの演奏に対してJonas Kullhammarのテナーの音色(録音の問題?)が若干物足りなかったりはしますが、それでもこの演奏は凄い。
2曲目の『Blau』はフリーの色が強い演奏ですが、嫌な感じは全くなく、ワクワクと聴けてしまいます。
3曲目の『October Is A Long Time Too』は1曲目、2曲目とは打って変わってバラード。これがまたじっくりと楽しめてイイ。Jonas Kullhammarのテナーの音色と一番マッチしている曲調かも。
ジャケットだけを見たら「ゲテモノ」ですが、内容はいやはや、素晴らしい1枚です。

Live At Star Eyes / Far East Jazz Ensemble
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これも2010年度の国内盤で超優秀作品!
このCDのレーベル「D-musica」は、ジャズベーシストの安ヵ川 大樹さんが発足したジャズ専門レーベル。どの作品も素晴らしい。
中でもこの「Live at Star Eyes」は絶品です。
一般的なカルテットやクインテットよりもダイナミックな演奏を可能にして、ビッグバンドよりも小回りの効く9人編成のこのバンド。
メンバーも素晴らしく、ベースでリーダーの安ヵ川 大樹さん、トランペットの佐々木史郎さん、同じくトランペットの松島啓之さん、トロンボーンの中路英明さん、アルトサックスの近藤和彦さん、テナーサックスの小池修さん、テナーサックスの浜崎航さん、ピアノの堀秀彰さん、そしてドラムの大坂昌彦さん。
1曲目の『Somebody I Know』から爽快で白熱した演奏。
ライブならではの熱気がスピーカーからビシビシと伝わってきます。
ノリノリのスウィンギーな曲から今風のバラード、やや前衛的な演奏まで、とにかく飽きさせずに一気に聴けてしまいます。
前述のLuca Mannutza Sound Sixの作品と比べると、非常に「日本人的」というと語弊があるかも知れないけれど、怪しく格好良いLuca Mannutza Sound Sixの作品と比べ、知的で格好良いのが本作。
そして、安ヵ川さんのベースや堀さんのピアノが耽美に歌い上げるところは、まさに日本人の美的感性。
とにかく手に取って、聴いて欲しい1枚です。
・・・・ということで、まだまだお勧めしたいCDは有りますが、長くなりすぎるので今回はココまで。
また続きますがお付き合い下さい。