伊勢崎賢治ライブ in 吉祥寺MEG | UNTITLED

伊勢崎賢治ライブ in 吉祥寺MEG

2010年7月23日、吉祥寺のMEG伊勢崎賢治さんのライブが行われるという事で行って参りました。



伊勢崎賢治さんと言うと、大学教授でありながら、情熱大陸に出られていた様に「紛争解決請負人」、そして今回はトランペットを吹かれるという事で、はてさて、どうなるのでありましょう。

ちなみに、今回のライブでは鳥尾さんのピアニスト中島弘恵さんと、ドラマーの安永春美さんが演奏するという事で、「鳥尾さん(ベースの伊東さんは居ないにしても)と会うのは久しぶりだなぁ・・・」と思いながら吉祥寺へ向かったのでありました。





7時少し前にMEGに到着すると、ちょうどリハーサルが終わったのか、店内はガランとしており、伊勢崎さんを除くミュージシャンの皆さんはお食事に出られようとしているところでした。


MEG店長の新井さんにご挨拶をして店内にはいると、中島さんと安永さんと目が合い、

「おぉぉ!お久しぶりです~!」

と、お互いに微妙な笑顔で会釈。

もう、どのくらいぶりなんだろう?




調べてみました。


安永さんと会うのは、2009年7月15日小島のり子さんのライブの時以来だから、約1年ぶり。

中島さんと会うのは、2007年5月1日のサックス奏者の高橋康廣さんとトランペッターの伊勢秀一郎さんと鳥尾さんのライブの時以来だから・・・3年以上ぶりかっ!


いやはや、申し訳ないねぇ・・・鳥尾さん。

気付けば中島さんのお腹はおっきいし、聞けば臨月間近らしいし・・・時は刻々と流れておりますよ・・・(遠い目)




そんなわけで、ライブが始まったのは8時少し前。

つい1時間前にはガラガラだった店内が・・・満員御礼の大盛況ぶり。

伊勢崎さんの大学関連のお知り合いや、紛争解決請負人のお勤め関連のお知り合い、伊勢崎さんのファンなどでごった返す店内。

ジャズ喫茶に来た事のなさそうな人もたくさん。


面白いライブになりそうです。






今日のメンバーは、伊勢崎賢治さん(tp)、松岡俊輔さん(b)、中島弘恵さん(p)、安永春美さん(ds)の伊勢崎賢治カルテット。

演奏を聴いてもらうのが先・・・と、トークよりも先にいきなり演奏のスタートです。


UNTITLED-伊勢崎賢治ライブ in 吉祥寺MEG1

本日のリーダー伊勢崎賢治さん。
ジャズを聴き始めたのもトランペットを始めたのも十数年前らしい。
40の手習いで始めたトランペットがこんなにも人を惹き付けるものなのか。

確かに、音のキレや絶対的なテクニックなど、いわゆるミュージシャンを生業としている人達とは比較にならない点は多々あります。
しかし、「好き」であると言うことと、もう一つ、何か伊勢崎さんの生き方のようなものが音に滲み出ていて、トランペットの「音」が何とも魅力的なのです。

この音って言うのが管楽器を聴く上では非常に重要になってくる・・・と思っているのはオイラだけではないでしょう。きっと。多分。

ちなみに、1曲目を終えて最初のMCでの話は・・・・平和の話でもこれまでの海外での体験でもなくて、痛風の話でした。


UNTITLED-伊勢崎賢治ライブ in 吉祥寺MEG2

ベースの松岡俊輔さん。
非常に的確に仕事をこなす職人のような、カッチリとした演奏で、伊勢崎さんの演奏をしっかりとサポート。
ソロでは華やかではないけれど、しっとりと、じっくりとしたアドリブで楽しませてくれます。


UNTITLED-伊勢崎賢治ライブ in 吉祥寺MEG3

ピアノの中島弘恵さん。
ホント、前回中島さんのピアノを聴いたときは、まだ「お母さん」じゃ無かったんだよなぁ。
それが今じゃ2歳の子の母で、さらにお腹にもう一人いるんだもん。
しかも、もうすぐ臨月という状態にも関わらずこの演奏。
以前聴いた「鳥尾さん」らしい勢いのあるハツラツとしたパワーは衰えず、これは母性の賜物なのか分からないけれど、優しいタッチが美しくなってきた。

う~ん・・・お母さん、がんばってる!


UNTITLED-伊勢崎賢治ライブ in 吉祥寺MEG4

そしてドラマーの安永春美さん。
会うのだけは1年前にも会っているけれど、演奏を聴くのは中島さんと同じ3年ぶり。
本人は「どうせ進歩してないですよ~!」とスネていたけれど、いや、3年前に聴いたときよりも「喧しくない」。
喧しくないけれど、しっかりと音圧は上がっている。
だから、ドラムの真横の席(体を動かすと頭がシンバルに当たる位置)に座っていたのだけれど、白熱した演奏を楽しむことができました。

ただ、シズルシンバルのリベットは減らしても良いかも。


UNTITLED-伊勢崎賢治ライブ in 吉祥寺MEG5

演奏が進むにつれ、伊勢崎さんもヒートアップ。
指もパキパキと動いてくるようになり、どんどんと演奏が良くなっていきます。

ジャズを聴き始めたのは40歳頃にキャノンボール・アダレイの「SOMETHIN' ELSE」なのだとか。
この時に「これがジャズか!」と感激し、トランペットを始めたとのこと。
しかし、キャノンボール・アダレイを聴いてトランペットを始めたと言うことは、直接的な影響はマイルス・デイヴィスなのかな?


2ステージ目以降はMCで喋りたいことを思い出してきたのか、海外での経験の話を次々としてくれます。
「武装解除をさせるために”平和”を掲げちゃいけない。」なるほど、聞けば聞くほど考えさせられる話のオンパレードです。

そんな伊勢崎さん、今度はインドに行くのだとか。

インドは伊勢崎さんが留学して、現在の仕事をする切っ掛けとなった地。
そのインドの大学から教授として招聘を受けているそうなのだけれど、インドでビザが受理されるまでにすったもんだがあったらしい。
パスポートにインドの敵対国であるパキスタンへの渡航歴が何度もあったからだそうで、「インドの国に招聘されて行くのにね」と苦笑いしておりました。


UNTITLED-伊勢崎賢治ライブ in 吉祥寺MEG6

いやはや、今日はジャズを聴いたけれど、それだけじゃなかった。
勉強になったし、色々と考えさせられました。
そんな話を冗談交じりに、笑顔ですることができる伊勢崎さんの人柄にドップリと惹かれてしまった夏の夜でありました。

伊勢崎さん、松岡さん、中島さん、安永さん、どうも有り難うございました。






で、ライブ終了後、ドラムを片付ける安永さんと色々とおしゃべりをしていると、ドラムケースに見たことのないCDが入っておりました。

「なにそれ?」と言うと快く見せてくれました。

UNTITLED-多摩 I LOVE


なにこれ!?見たこと無いぞ??

「え、なにこれ?鳥尾さんのみんなが参加してるじゃん。売って!」
と言うと、
「いやいや、良いですよ。差し上げますよ~。」
「え?いや、悪いじゃん。ちゃんとお金払うよ。」
「いえいえ、実はこれ、非売品なんですよ。ギタリストの光井靖さんが記念に制作したCDなんです。パーカッションの小田智昭さんも参加してるんですよ!」

CDの裏を見ると、確かに値段も無ければバーコードも無い。

このまま貰うのはなんだか気が引けたけど、有り難く頂くことに。

う~ん、安永さん、大好きだ~!!




そんなこんなで、終電も近くなってしまったので、安永さんや中島さんにご挨拶をし、伊勢崎さんにもご挨拶をしてMEGを後にすることに。





ちなみに、伊勢崎さんのインタビュー記事がいくつかありましたのでご紹介。

■学生による総合インタビューサイト SMPY
http://smpy.jp/int/int0019_a.html

■魂の仕事人
http://www.jinzai-bank.net/careerlab/info.cfm/tm/021/