松本茜 in 蕨チョウゲン坊 | UNTITLED

松本茜 in 蕨チョウゲン坊

昨日3月25日、蕨のチョウゲン坊というお店の松本茜さんのライブに行きました。



松本茜さんのライブは、約3年ぶり。

前回松本さんのライブ行ったのは、2006年8月20日、吉祥寺のMEGで「コロムビアのKプロデューサーの肝いりで、これからデビューする超若手美人ピアニストのライブがあるよ。」と店長の新井さんから知らされて行ったライブでした。

まだデビューアルバムの『フィニアスに恋して』のレコーディング前、実に初々しい、ビバップバリバリのハツラツとした演奏で、ライブを聴きながらCDデビューが楽しみになりました。



そんな松本茜さんのライブ、こんなに間が空いてしまって申し訳ないながら、なんとか3年越しで再び、彼女の演奏を堪能しようと蕨に出向いたわけです。



蕨。




日本一小さな市として有名。


で、オイラとしてはお隣の市ということもあり、アクセスも便利。

今まで「チョウゲン坊」というお店の存在を知らなかった為、中学校の時に友人の無線機購入に付き合って以来、実に十数年ぶりの蕨上陸となりました。








JR蕨駅の東口を出ると、もう徒歩数秒という超近距離にあるチョウゲン坊。(ぐるなび 、 @JAZZ 、 amebaブログ

こんな所にジャズのライブスポットがあったのか!!


はやる気持ちを抑えて階段を下り、お店に入ります。


薄暗く雰囲気のあるイイ感じの居酒屋さんと言う感じの店内。

席に通されてメニューを見ると・・・うわぁ・・・日本酒の種類が非常に豊富です。

食べ物も凝っている感じ。

基本アルコールがダメなオイラですが、こんなに日本酒の種類が豊富だと試してみたくなってしまい、とりあえず、埼玉の銘酒『神亀』を半合と『チョウゲン坊サラダ』を注文。

お酒の管理もしっかりしているようで、冷やし過ぎずに密閉した一升瓶と半合グラスを持った店員さんが登場。

「シュボッ!」と音を立てて栓が開き、グラスになみなみと神亀が注がれて行きます。

そしてマグロ、鯛、サーモンなどの刺身がたっぷりと載ったチョウゲン坊サラダが運ばれて来たので、早速野菜に鯛を巻いて口に運び、サラダを堪能。

酸味が強過ぎずに、塩味がしっかりとした(しょっぱいと言う印象は無い)ドレッシングが鯛と野菜の甘味を引き出しています。

これは美味しい!

そこにすかさず「神亀」をゴクリ・・・



ぬはぁ~~~~~!!


これは美味い!!


キリッとした芯のある辛味が舌の上に広がったと思ったら、すぐにふんわりとした甘味が鼻腔に抜け、これがなんともサラダと合う!!


この後、『旬の野菜の炊き合わせ』を注文しましたが・・・これもまた丁寧な仕事がしてあり、出汁の香りが何とも気持ちの良い、非常に美味しい炊き合わせでした。








・・・と、このままではただのグルメレポートになってしまいますので、そろそろライブのお話を・・・



ライブ開始前、Kプロデューサーとご挨拶し、さらに松尾明さんともご挨拶。

その後、すぐにライブが始まりました。








本日のメンバーは・・・

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ベース 山下弘治さん



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ドラム 松尾明さん



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ピアノ 松本茜さん



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この御三方が現在、NEW ROMAN TRIOとして活動し、コロムビアから2枚のCDをリリースしております。



BACHARACH JAZZ / NEW ROMAN TRIO



BACH JAZZ / NEW ROMAN TRIO




バカラックはまぁ分かるとしても・・・バッハって・・・チョットどうしちゃったんだ!?

と、タイトルを見た時はそう思いました。

しかし、実際に演奏を聴いてみると・・・。



そして、今回のライブを聴いて改めて実感しました。

これはアリです。

というか、スゴいです。




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松本さんのアレンジは次から次に変拍子を繰り返し、非常にスリリングに展開して行きます。

そして3年ぶりにライブで聴いた松本さんのピアノは、非常にダイナミックで優美な演奏に進化していました。

私のHPで当時の松本さんのピアノを『音が出た瞬間、「やられた!」と思わずニヤけてしまった。「ド」が付く程のビバップだ。黒人ジャズの泥臭さを残しつつ、しっかりと茜カラーをちりばめたピアノ。』と書いています。

この時の若い奔放さと力強さを失わず煌めきを増し、大人の女性の持つ優美さと艶を兼ね備えて来たのが今日の松本茜さんのピアノではないでしょうか。

美しくありながら、耽美にならずに熱いスウィングする旋律は見事。

聴いていて清々しく、独特なアレンジにグッと引き込まれてしまうのは私だけではないでしょう。



えぇと・・・松本さんは今何歳だ??

3年前○○歳だったから・・・まだ□□才か!!??

おいおい・・・末恐ろしいピアニストだなぁ。



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そんな松本さんのピアノに深みと渋さを加え、松本さんの世界をドッシリと支えているのがこの山下弘治さん。

」の松本茜さんと、「」の山下弘治さん。

このコントラストがこのトリオに絶対的な安定感と、ハッとするような緊迫感を与えているのでしょう。

アルコの音色も非常に綺麗で、弓を操る山下さんは正に「静」そのもの。



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松尾さんのドラムはいつも通り、ドスンッ!バシンッ!!と、店内を揺らす様なキレのある音で、演奏全体に強烈なアクセントを与えています。

それにしても・・・この松本流変拍子を絶妙に乗りこなして行く松尾さん、流石だなぁ・・・


・・・と、思ったら、後で松尾さんに聴いた所「大変なんだよ。もう、全然気が抜けないんだよね。」と笑っていました。

確かに、短いスパンで何度も変拍子する所では、松尾さんは譜面と松本さんの手元を凝視していました。

それにしても、バシッ!と、松本さんのピアノと松尾さんのドラムが噛み合うと、鳥肌が立つような爽快感に浸れます。



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ライブでは、「BACH JAZZ」に収録されているバッハの名曲中の名曲、『トッカータとフーガ』も演奏されました。

実は、Amazon.co.jpで試聴した時には、どうしても好きになれなかったのですが・・・実際にライブで演奏を聴くと・・・


シビレる!!





出だしの松本さんがソロでテーマを奏でる所は、正直、普段パイプオルガンの荘厳で重厚な音色で聴いている同曲と頭の中で比較してしまい、チョット物足りなさを感じてしまいました。
山下さんが超低音のアルコで音に重厚感を出したり、最初に1回だけ「ドシャーン!」と松尾さんが力一杯シンバルを弾いて緊張感を高めたりするのもアリかな・・・とか。




しかし!


松尾さんのドラムと合流してからの演奏は、疾走感に溢れ、スリリングで重厚。

聴いていてドキドキと自分の鼓動が早くなって行くのが分かります。

そしてその後の猛烈なアドリブでは、疾走感を維持しながらメロディーの嵐!


凄いっ!!



・・・すいませんでした。

試聴だけで侮っていました・・・

これは凄い演奏です。



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松本茜さん、素晴らしいピアニストです。

今日、3年前に受けた衝撃を遥かに上回る衝撃を受けました。



休憩時間、向かいの席になった方と色々とお話をしましたが、この方、1940年代~70年代の日本のジャズに造詣が深く、当時、リアルタイムで様々なアーティストの演奏を聴きまくったという方なのですが、そう言う方が松本さんの追っかけになり、各所で行われているライブに足繁く通っていると言うのが、松本さんの実力を顕著に示していると思います。

私の様なにわかジャズファンが長々と感想を述べるよりも、こういう方々の一言の方が遥かに価値のあるものだと実感してしまいました。








ライブ終了後、皆さんの集合写真を撮らせて頂きました。

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左から 山下弘治さん、松本茜さん、プロデューサーK氏、松尾明さん





さらに、チョウゲン坊のオーナーと松本茜さんのツーショット!

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今日は素晴らしい時間を過ごしました。


4月1日(水)には横浜赤レンガ倉庫2号館のライブレストラン『モーション・ブルー・ヨコハマ』でライブがあるのだとか。


オイラはそっちには行けないと思うけれど、4月9日の吉祥寺MEGの方には行くぞ!