ジャズオーディオ・ディスク大賞作品と早間美紀新作 | UNTITLED

ジャズオーディオ・ディスク大賞作品と早間美紀新作

ジャズ批評2009年3月号掲載のジャズオーディオ・ディスク大賞金賞受賞作品、Guillaume De Chassyの『Fairway So Close』を聴いてみた。


最近、吉祥寺MEGで開催されている新譜試聴会に行けなかったり、ジャズ仲間と会う機会が減ってしまっており、新譜情報の収集能力が激減してしまっている為、このディスクのノーマークでした。


というわけで、早速購入して聴いたわけです。




Fairway So Close / Guillaume De Chassy




うん、確かにこれは音質的には素晴らしい。
もの凄い静寂の空間からピアノがフッと浮かび、ベースがドンッ!と飛び出て、シンバルが細かく振動する様子が見えるかの様に鮮烈。
ベースとバスドラムの低音は空気の圧力がフッと部屋全体を包み込みます。



ただ、演奏がなんとも耽美的過ぎ。

襟を正してクラシックを聴く様な、そんな静かで美し過ぎるタッチのピアノは、ややもすると飽きて来てしまいます。

もう少し、アップテンポな力強い演奏の曲が収録されていたら・・・








というわけで、もっと「熱い」ジャズを聴きたくなり、早間美紀さんの新譜『WIDE ANGLE』を。




WIDE ANGLE / 早間美紀




本作ではベースに前作同様、気迫溢れる演奏が魅力の北川潔さん、そしてドラムは大御所のビクター・ルイスさん。

この強烈な2人に埋もれてしまうかと思いきや・・・いやはや、早間さんのピアノの強烈なこと。

もの凄い音の厚みとスピード感がビンビンと体に突き刺さってきます。
その早間さんのピアノと一緒に疾走する北川さんのベースとビクター・ルイスのドラム。

これはもう病み付きです。



早間さんのライブには何度か行ったことがあるけれど、いずれも早間さんのピアノには圧倒されていました。

本作でもその早間さんの持ち味は十分に発揮されています。


個人的には最近買った新譜CDの中ではベストの作品。
オススメです。