障害厚生年金の給付額について | 四姉妹のパパは保険屋さん 〜保険は賢く活用しよう!〜

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長崎の保険代理店(有)ビッグ・ワンの代表取締役大木敬介のブログです。
2023年9月まではただの雑記ブログでしたが、今は賢く民間保険に入る為の周辺知識を頑張って発信しています。

今回は前回の障害基礎年金に続き、障害厚生年金の給付額について解説します。

 

障害厚生年金は、障害等級1級・2級・3級に該当する方が保険料納付要件を満たしている場合に、障害認定日の翌月から支給されます。障害基礎年金は1級と2級のみが対象でしたが、障害厚生年金の場合は3級も対象となります。

また、前にも述べましたが、3級までに該当しなかった場合でも、障害厚生年金独自の制度として「障害手当金」が支給される場合もあります。

 

まず、給付額の基本的な部分の計算式は、

「障害厚生年金の年金受給額(報酬比例部分)」=「平均標準報酬月額」×「0.007125」×「2003年3月までの被保険者期間の月数」+「平均標準報酬額」×「0.005481」×「2003年4月以降の被保険者期間の月数」

です。どこかで見た事がありませんか?そうです。昭和21年4月2日以降生まれの人の場合の「老齢厚生年金」の「報酬比例部分」の計算式と全く一緒です。なお、障害認定日の属する月後の被保険者期間は、計算には含みません。「平均標準報酬月額」と「平均標準報酬額」の金額は収入によって変わりますが、この基準は物価等を反映させて毎年改定される事となっています。以下この記事内では、この計算結果を「障害厚生年金報酬比例部分」と呼ばせていただきます。

 

障害等級1級の場合は「障害厚生年金報酬比例額」×1.25、2級と3級の場合は「障害厚生年金報酬比例額」そのままの金額が払われます。しかし中には被保険者期間が短い対象者の方もいるので、1級の場合も2級の場合も3級の場合も被保険者期間が300か月に満たない場合は300か月として計算するルールがあります。実務的には「障害厚生年金報酬比例部分」×300か月÷被保険者期間という計算式になります。また、1級と2級の場合には年金受給者から生計を維持されている65歳未満の配偶者がいる場合には「老齢厚生年金」の場合と同じく「加給年金(2021年(令和3年)度は224,700円、2022年(令和4年)度は223,800円、2023年(令和5年)度は228,700円でした。)」が加算され、その配偶者が1966年(昭和41年)4月1日以前生まれの場合には、配偶者が65歳に達した段階で「加給年金」が支給停止になる代わりに配偶者の老齢基礎年金に生年月日に応じた「振替加算」がプラスされます。ただし、老齢厚生年金の場合と異なり特別加算はありません。3級の場合には加給年金は加算されませんが、最低額が決まっています。最低額は毎年変動しており過去3年間の推移は以下のとおりです。

【障害等級3級の最低保障額】

2021年(令和3年)度 585,700円

2022年(令和4年)度 583,400円

2023年(令和5年)度 昭和31年4月2日以後生まれの方 596,300 円

2023年(令和5年)度 昭和31年4月1日以前生まれの方 594,500 円

 

何かごちゃごちゃしすぎていて解りにくいので、今までの話をまとめます。

【障害厚生年金の年金受給額】

1級の場合 「障害厚生年金報酬比例部分」×1.25+「加給年金」

2級の場合 「障害厚生年金報酬比例部分」+「加給年金」

3級の場合 「障害厚生年金報酬比例部分」(ただし最低保障あり)

(被保険者期間が300か月に満たない場合は300か月として計算)
 

最後に「障害手当金」の解説です。

「障害手当金」は年金でなく一時金です。

厚生年金加入中に障害の原因となる病気や怪我の初診日があり、その初診日から5年以内に治り、その後も3級より程度の軽い一定の障がいが残った場合に支給されます。一時金の金額は「障害厚生年金報酬比例部分」×2です。「障害手当金」にも最低保障額が決められており、最低保障額の推移は以下のとおりとなります。

【障害手当金の最低保障金額】

2021年(令和3年)度 1,171,400円

2022年(令和4年)度 1,166,800円

2023年(令和5年)度 昭和31年4月2日以後生まれの方 1,192,600円

2023年(令和5年)度 昭和31年4月1日以前生まれの方 1,189,000円

 

「障害手当金」を受けるためには「障害厚生年金」と同じく、初診日の前日において、次のいずれかの要件を満たしている事が必要です。
・初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の3分の2以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
・初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと。

 

さて、今回は以上です。

 

このブログでは賢く民間保険に加入する為、ちゃんと自分で考えて民間保険を選ぶ為、もしくは民間保険に入らないという選択肢を取る為の周辺知識を発信しています。

 

公的年金の障害給付の知識は民間保険の選択を考える中で非常に参考になる知識ではないかと思います。ゆっくりちょっとずつ学習していきましょう。

 

それではまた!

 

※今回の記事は2024年2月9日時点での情報です。御覧になるタイミングによっては最新の情報ではありませんので注意して下

さい。