大切な思い出 | Poco a poco -難病と生きる-

Poco a poco -難病と生きる-

スペイン語の「poco a poco」は、日本語では「少しずつ」「ゆっくりゆっくり」という意味です。遺伝性による難病、脊髄小脳変性症を患っていると診断された2015年7月(当時34歳)以降、少しずつ身体が動かなくなる恐怖と闘いながら、今日を生きる僕の日記です。恐縮です。

昨日は元カノの誕生日。忘れたことなんてない。何より記念日を大切にする彼女だ。交際半年記念とか。三周年記念日とか。忘れっぽい僕も、さすがに覚えたよ。さて誕生日。何が食べたいかヒアリング。人気店の名前が出てきたら、事前に予約をしておかないと。ところが――。

 

 

彼女の口から出てくるのは、僕の得意料理ばかり。外食より、内食(手料理)を好む彼女だ。そりゃ、僕も楽だぜ。でも、それで良いのだろうか。彼女の満足そうな表情を間近で見ることができて、安心する。この笑顔の為なら、何だってする。大好きな缶ビールを我慢だって。

 

 

この残酷な病気と改めて向き合う。確定診断から11年。多くを失ってきた。一方で、新薬はまだ出来ない。仮に出来たとして、ではすぐに幸せになれるだろうか。失ったモノは、二度と戻ってこない。元カノも、愛犬も。早々に復職できるだろうか。また部屋を借りられるか。