患者会か家族か | Poco a poco -難病と生きる-

Poco a poco -難病と生きる-

スペイン語の「poco a poco」は、日本語では「少しずつ」「ゆっくりゆっくり」という意味です。遺伝性による難病、脊髄小脳変性症を患っていると診断された2015年7月(当時34歳)以降、少しずつ身体が動かなくなる恐怖と闘いながら、今日を生きる僕の日記です。恐縮です。

まずは大前提として。我が家を支える二大巨頭。親父と伯母。彼らの誕生日が今月とあって、合同誕生日パーティーを企画したとか何とか。そこに末弟が家族で参加すると言う。有り難いね。気の強い美人の義妹を筆頭に、長男と長女が賑やか。え。僕。患者会のイベント運営。

 

 

一つ言わせて。大事な大事な患者会。でも。家族も大事。彼らが元気な状況が、当たり前と思うなよ。で。普通なら後者を選ぶ。でもこれは普通で無い。場所は大井町。広大なイベント会場を用いて開催する「医療講演会・相談会」。年に一度の超大型イベントだからね――。

 

 

当然、準備に余念が無い。かつて、僕が元気だった頃、中心となって時間を割いた。それが今。見る影もない。期待されない。誰からも。仕方ない。声が出ない。脚が痛い。眩暈が酷い。会場に入って、運営メンバーとして立ち回る。学生ボランティアから声を掛けられる。

 

 

僕「(お疲れ様です)掠れ声」。学生「(ご来場)ありがとうございます」。そんなもんだろう。あ。ダメだ。存在意義が分からない。こういう時は、視点を変えよう。イベントは年々進化している。助成金がきちんと入っている。例えば運営向けに出す弁当。かつては握り飯だった。

 

 

イベント閉会後。医療顧問の先生方が珈琲を嗜む控室へと誘導される。でも、手持ち無沙汰。この空間で、まるで空気。こんな惨めな役回りなら、無理して来なくて良かったのでは。刹那。僕を呼ぶ先生の声。「広い会場で探しましたよ。お会いできて嬉しいです」だってさ。