歩くこと(雲取山登山) | Poco a poco -難病と生きる-

Poco a poco -難病と生きる-

スペイン語の「poco a poco」は、日本語では「少しずつ」「ゆっくりゆっくり」という意味です。遺伝性による難病、脊髄小脳変性症を患っていると診断された2015年7月(当時34歳)以降、少しずつ身体が動かなくなる恐怖と闘いながら、今日を生きる僕の日記です。恐縮です。

懐かしい写真が出てきた。当ブログの休載期間中に体験した記録である。2007年12月。15年以上前だよ。その割には色褪せない。仲間と共に初挑戦した登山の当時。都内の最高峰「雲取山」。山歩きの知識なんて微塵も持っていなかったのが分かる。服装……。デニムってお前。

 

 

時期も良くない。標高差のある中級程度に対し、冬は日暮れが早い。にも関わらず、陽が高い頃合いからのアタック。登山計画なんて知ったことではない。仲間の数も多い。素人パーティー。後に強力な登山仲間に変貌する友人もいるけれども。当時の武器は若さ。無鉄砲な勢い。

 

 

脚力。歩くこと。即ち、移動の手段であった。まだ病気に苛まれるよりも7年以上も時間がある。山歩きは難しい。足元は常に不安定。急峻な上り坂に下り坂。歩き始めたら4時間登って3時間下りる。移動の為の手段であった脚力が、登山では主役になる。足腰には自信があった。

 

 

当時は確か、8合目当たりで挫折した記憶。時間配分のミス。けれども、悲壮感は無い。神として崇拝する歌手が歌う。「高ければ高い壁の方が、登った時気持ちいいもんな」。惨敗した登山初挑戦だったけど、以降は少しずつレベルを上げていき、山小屋迫縦走までに至った。

 

 
今思うのは、歩けるって幸せなことよ。移動の手段だと侮ることなかれ。白状すると、僕の脚がタヒんだ。順調に推移していた歩数管理が、ここ最近は未達。恐らく大寒波の影響。低気圧がもたらす体調不良。脚だけでなく全身が痛い。眩暈も酷い。また皆で歩きたいよ。登山道を。